@article{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00001537, author = {守屋, 以智雄}, journal = {金沢大学文学部地理学報告}, month = {Mar}, note = {北海道には46の第四紀火山があり,そのうちの29は火山原画をよく残している。また8火山(渡島大島,恵山,渡島駒ヶ岳,有珠,樽前,十勝,雌阿寒,知床硫黄山)に噴火記録が残っている。記録はないが羊蹄,ニセコ,大雪などの諸火山は最近数100~数1000年間に噴火した形跡がある。地形がよく残る29火山のうち22は円錐(成層)火山で残りは4個の大カルデラ火山,2個の小カルデラ火山,2個の溶岩円頂丘火山である。分布 千島孤の南端部の火山(知床5火山,屈斜路,阿寒,十勝,大雪)と東北日本孤北端部の火山(渡島駒ヶ岳,洞爺,羊蹄,支笏)に2大別される。前者は雁行配列をなす。円錐火山と大カルデラ火山の発達 円錐火山は(1)苦鉄質溶岩・スコリアによる円錐火山体の形成。(2)安山岩質の厚い溶岩流の積重なりによる急で高い円錐火山体の成長,末期に山頂部の大崩壊が起こることがある。(3)やヽ珪長質の軽石が噴出,山頂部破壌,火砕丘,山麓に火砕流堆積面を形成する。(4)デイサイト質溶岩円頂丘の形成,その前に小カルデラが形成されることもある。という発達をする。大カルデラ火山は(1)デイサイト質軽石の大量噴出で火砕流台地形成。噴出中心付近に大カルデラ形成。(2)小型の円錐火山がカルデラ内に形成される。その発達は前記の円錐火山の発達と同じ。第四紀前半の火砕流台地 道央部に総体積2000km^3をこえるデイサイト-流紋岩質の大規模火砕流が台地をつくっている。これは300万~70万年前にかけて噴出した数10の火砕流からなる。噴出源その地不明な点が多い。岩質 すべて玄武岩-案山岩-デイサイト-他校岩の系列に属じ,安山岩,デイサイトはカルクアルカリ岩系で大部分を占める。太平洋側から日本海側に近づくほどアルカリが増え,シリカが減少する。ストロンチウム同位体比は0.7028~0.7039で比較的低く海嶺玄武岩の値に近い。年代 年代測定値はまだ少い。大雪の層雲峡をつくる溶結疑灰岩は3万年前,火山原面を残す円錐火山の大部分はここ50万年以降のものらしい。その基盤をつくる第三紀末-第四紀前半の火砕流堆積物のうち十勝溶結凝灰岩類の最上位のものは70万年前という値が出されている。総体積 北海道全体の第四紀火山の総体積は960km^3。円錐火山の平均体積は33km^3,大カルデラ火山は98km^3,小カルデラ火山,溶岩円頂丘火山は2km^3以下。有珠山1977年以後の活動 1977年8月7日から1週間,15~20回の噴火を行ない,0.083km^3の軽石を噴出した。山頂部で最大厚3mに達した。その後高粘性マグマの上昇に伴う山体の変動が続いた。断層崖,曲崖が形成され,山頂カルデラ内部で小さな尾根が200m隆起した。北外輪山は180m北東へ水平移動し,外側へ傾いた。35°であった斜面は60°になり地すべりが発生した。約1年後,地表浅所まで達した高粘性マグマは地下水と接触してマグマ水蒸気爆発を起こす。細粒火山灰が山腹に堆積し土石流を惹き起こし3名が死亡した。土石流災害防止用のダムが山腹の放射谷に200以上つくられている。, 金沢大学文学部地理学}, pages = {1--42}, title = {VOLCANOES IN HOKKAIDO, JAPAN}, volume = {2}, year = {1985} }