@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00028004, issue = {2011}, month = {Apr}, note = {膵癌の難治性の根底には腫瘍細胞の高い増殖能・浸潤能・薬剤耐性などがある。我々は膵癌でglycogen synthase kinase (GSK) 3βの発現と活性が高く、腫瘍細胞の生存と増殖に必須であることを見出した。そして、GSK3β阻害によるがん治療効果を細胞レベルと担がん動物モデルで実証し、GSK3βが膵癌の新しい治療標的であることを同定した。その機能解析から、がん細胞で異常活性を示すGSK3βが誘導するシグナルがp53がん抑制分子経路、Rb細胞周期制御系や細胞不死化経路に影響を及ぼすことを明らかにした。また、ヒト膵癌細胞移植動物において薬理学的GSK3β阻害剤の併用はTP53INP1 (tumor protein 53-induced nuclear protein 1)を介するDNA修復機構を制御して、ゲムシタビン(GEM)の抗腫瘍効果を相乗的に増強することを実証した (Shimasaki T, et al. J Gastroenterol 2011 Epub)。本研究では、膵癌の浸潤に伴うがん細胞の形態特性と運動能に着目してGSK3βの機能を多角的に解析した。培養細胞のスクラッチ試験とトランスウェルアッセイにより、GSK3β阻害剤はがん細胞の遊走と浸潤を抑制した。その効果に伴い、GEMにより誘導されるがん細胞の形態変化 (epithelial-mesenchymal transition)と、がん浸潤を誘引するある種の熱ショック蛋白質の発現やFAK (focal adhesion kinase)/Rac1/MMP-2 (matrix metalloproteinase-2)機軸経路が抑制された。これらの解析と並行して、GSK3β阻害効果が科学的に立証された既存医薬品の適応外使用とGEMの併用による進行膵癌治療の医師主導型第Ⅰ/Ⅱ相臨床研究 (UMIN 000005095)を2011年に開始した。}, title = {GSK3β阻害による新規膵がん化学療法の開発と臨床試験}, year = {2012} }