@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053629, month = {Jul}, note = {本研究では、がんの未分化形質を制御する微小環境シグナルを特定することを目標として、白血病や脳腫瘍細胞に焦点を当てて研究を進めた。昨年に引き続き、脳腫瘍において、高頻度に活性化がみられるmTORシグナルの役割について検討した。活性型EGFRの強制発現とp16/p19欠損の組み合わせにおいて発生する脳腫瘍において、タモキシフェン誘導的にTsc1を欠損させ、in vivoでのmTORC1の更なる活性化を誘導した。その結果、mTORC1の過剰活性化は、スフィア形成細胞能を有する腫瘍細胞の頻度を上昇させた。同時に、大脳基底核への再移植を限界希釈法にて行ったところ、腫瘍発生能を有するいわゆるtumor-initiating cellの頻度は有意に上昇していた。このことから、mTOR活性化が脳腫瘍幹細胞の増幅を誘導するということが判明した。さらに、本実験系において、遺伝子発現解析、蛋白解析、代謝解析を行ったところ、mTORC1の活性化によって、蛋白合成の顕著な亢進とともにミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の亢進が認められた。このように、脳腫瘍幹細胞制御にmTORを介したエネルギー代謝制御が重要であることが明らかとなった。また、患者サンプル由来脳腫瘍において、Notch阻害剤の感受性を解析したところ、サンプル間で大きく反応が異なること、感受性を示すサンプルではAKTのリン酸化が低下していること、さらに、CD133やCD44などの幹細胞抗原の発現パターンと有意に相関することが認められた。以上のように、脳腫瘍幹細胞の制御には、微小環境からのmTOR、Notchシグナルが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。, 研究課題/領域番号:25130705, 研究期間(年度):2013-04-01 – 2015-03-31, 出典:研究課題「ストレス応答を介したがん幹細胞ニッチシグナルの解明」課題番号25130705 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PUBLICLY-25130705/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {ストレス応答を介したがん幹細胞ニッチシグナルの解明}, year = {2019} }