@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053856, month = {Mar}, note = {申請者は、レトロウイルスの感染によって白血病を発症するモデルマウスを用いて、ウイルス挿入の標的となる遺伝子群を網羅的に同定し、その機能や相互作用の解析を通して、病原性発現に関わる細胞性因子の探索を行っている。これまでの大規模解析から、高頻度に単離される標的として、ヒストンのメチル化酵素17種と脱メチル化酵素11種を同定した。メチル化、アセチル化、リン酸化などヒストンの翻訳後修飾は、転写制御、DNA複製、X染色体不活性化をはじめとする様々な生物学的現象に関与している。ヒトのがんでは、アセチル化酵素の変異や脱アセチル化酵素の発現異常が検出され、脱アセチル化酵素の阻害剤が既に抗がん剤として開発されているので、メチル化と発がんとの関係も大変注目されている。 本年度は、標的として同定したメチル化制御酵素群について、ヒトがん組織での発現を調べた結果、発現異常が高頻度に検出されることがわかった。また、酵素を高発現する数種のがん細胞株では、酵素の発現をノックダウンすると、細胞増殖の抑制が観察され、ヒストンのメチル化の脱制御が、発がんに密接に関係することが確認された。さらに、酵素の発現異常が細胞内の遺伝子発現に与える影響を調べるために、がん遺伝子やがん抑制遺伝子候補の酵素の発現をON/OFFできる細胞株を樹立し、cDNAの大規模シークエンシングによる発現プロファイリングを行った。今回、ヒト食道がんなどで変異が見られるがん抑制遺伝子候補Utx脱メチル化酵素が、細胞の増殖を負に制御することを見いだし、その際、ピストンH3の27番目のリジン(H3K27)の脱メチル化を介して、RbおよびRb12がん抑制遺伝子の発現上昇を誘導することを明らかにした。このように、標的遺伝子の発現とともに、ヒストンの翻訳後修飾の変化を調べることで、がん細胞における遺伝情報発現異常の本質を理解していきたい。, 研究課題/領域番号:21022018, 研究期間(年度):2009 – 2010, 出典:研究課題「白血病ウイルス感染による病原性発現に関与する細胞性因子の解析」課題番号21022018 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PUBLICLY-21022018/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {白血病ウイルス感染による病原性発現に関与する細胞性因子の解析}, year = {2018} }