@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053863, month = {Mar}, note = {アセチルコリンの作用メカニズムの解明を目指し、ラット培養海馬ニューロンの膜電位および膜電流に対するムスカリン性受容体アゴニスト(oxo-M)の効果を調べた。昨年度は、M_1/M_3ムスカリン性受容体-PLCβを介する脱分極のメカニズムには「非選択性陽イオンチャネルの活性化」と「M電流を含むK^+チャネルの抑制」があり、電極内Ca^<2+>濃度を下げるとこれらの作用が小さくなることを見出した。本年度は、このCa^<2+>依存性を確認するため、脱分極パルスにより細胞内Ca^<2+>濃度を一過性に上昇させた場合の影響を調べた。実験はapaminによりCa^<2+>依存性K^+チャネルを抑制した条件で行った。その結果、脱分極パルス直後にoxo-Mを投与するとK^+チャネルの抑制作用が促進されることが確かめられた。また、K^+チャネルの抑制作用はPLCの基質であるPIP_2を細胞内に注入することにより小さくなるという結果を得た。さらに、統合失調症の治療薬であるclozapineの代謝物であるdesmethylclozapineがM_1アゴニストとして働くことが報告されていることから、この薬剤の作用を調べた。その結果、多くのニューロンではoxo-Mと同様の作用を引き起こすことはできなかった。また、desmethylclozapineにはシナプス伝達を抑制する作用があることを見出した。この効果は、興奮性シナプスに比べ抑制性シナプスでより強く、また、PP比の解析より作用部位はシナプス前性であることが示唆された。以上の結果より考えられるモデルは以下の通りである。M_1/M_3受容体(主にはM_3)はPLCβを介し、(1) PIP_2の減少などによりM電流を含むK^+チャネルを抑制し、(2) 一部のニューロンではさらに非選択性陽イオンチャネルを活性化する。これらの反応は、少なくとも定性的にはCa^<2+>依存性であることが確かめられた。, 研究課題/領域番号:20021014, 研究期間(年度):2008 – 2009, 出典:研究課題「ムスカリン性アセチルコリン受容体を介するシグナルの多様性および相互依存性の解析」課題番号20021014 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20021014/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域保健学系}, title = {ムスカリン性アセチルコリン受容体を介するシグナルの多様性および相互依存性の解析}, year = {2018} }