@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053872, month = {Mar}, note = {がん細胞浸潤は細胞外マトリックス(ECM)分解と方向性を持った細胞運動誘導が協調的に制御され、かつシグナルの連続性が維持されて初めて成立する。がん細胞はECM由来の細胞運動誘導シグナルの連続性を確保するため、ECM分解酵素を用いて細胞外環境を調節している。本研究では膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)による細胞運動・浸潤時の極性形成と連続性維持への関与とその作用機序をインテグリン/FAK情報伝達経路を中心に解明し、がんの浸潤・転移機構の解明とその阻止に向けた標的分子の同定と薬剤開発を目標とする。 MT1-MMPと細胞運動および浸潤極性 イヌ腎上皮MDCK細胞やヒト乳癌MCF-7細胞のコラーゲンゲル培養において、MT1-MMPを発現させることによりFAKとERKのリン酸化が亢進することを明らかにした。このリン酸化の亢進は、MMP阻害剤処理や腫瘍細胞のMT1-MMPをsiRNAを用いてknockdownすることにより抑制された。また、MT1-MMP阻害はインテグリンαvβ3を介したc-Srcの活性化も抑制することも見出した。事実、Src阻害剤処理やsiRNAを用いたc-Srcのknockdownは、MT1-MMP活性に影響を与えずにFAKやERKのリン酸化を抑制した。c-Srcのエフェクター分子を検索したところ、コラーゲンゲル内においてPaxillinのknockdownがERK活性化と細胞増殖を抑制することが判明した。MT1-MMPとPaxillinの共発現はコラーゲンゲル内でのERK活性化を誘導した。MT1-MMPを発現している癌細胞の3次元コラーゲンゲル内増殖にはMT1-MMP活性に加えて、c-Srcの基質であるパキシリンが重要であることが判明した。MT1-MMPによる細胞増殖シグナル活性化の足場としてパキシリンが働いていることが期待される。, 研究課題/領域番号:20013017, 研究期間(年度):2008 – 2009, 出典:研究課題「膜型マトリックスメタロプロテアーゼによる細胞運動極性 制御機構」課題番号20013017 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20013017/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {膜型マトリックスメタロプロテアーゼによる細胞運動極性 制御機構}, year = {2018} }