@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053877, month = {Mar}, note = {申請者は、レトロウイルスの感染によって白血病を発症するモデルマウスを用いて、ウイルス挿入の標的となる遺伝子群を網羅的に同定し、その機能や相互作用の解析を通して、発がんに関わる遺伝子の探索を行っている。従来の挿入変異では、ウイルス挿入で発現や機能が活性化されるがん遺伝子が主に同定され、不活性化されるがん抑制遺伝子は、ほとんど同定されなかった。そこで、ゲノム不安定性を示す変異マウスにウイルス挿入変異を適用し、両アリルへの変異導入効率を高めて、がん抑制遺伝子を効率的に単離する独自の実験系を確立した。これまでの解析から、高頻度に単離される標的として、ヒストンのメチル化酵素17種と脱メチル化酵素11種を同定した。メチル化、アセチル化、リン酸化などヒストンの翻訳後修飾は、転写制御、DNA複製、X染色体不活性化をはじめとする様々な生物学的現象に関与している。ヒトのがんでは、ヒストンのアセチル化酵素の変異や脱アセチル化酵素の発現異常が検出され、脱アセチル化酵素の阻害剤が既に抗がん剤として開発されている。一方、メチル化を制御する酵素群もまた、がんの新しい分子標的の有力な候補と考えられるため、同定した酵素について、遺伝子発現に与える影響の網羅的な解析を進行している。本年度は、食道がんで高発現が見られるJmjd2c脱メチル化酵素が、Mdm2がん遺伝子の発現上昇を誘導し、細胞内のp53がん抑制遺伝子産物の減少を引き起こすことを明らかにした。その際、Mdm2遺伝子発現制御領域にJmjd2cがリクルートされ、その領域に存在するヒストンH3の9番目のリジン(H3K9)の脱メチル化を介して、クロマチン構造を転写抑制状態から転写活性化状態に変換することを見いだした。このように、標的遺伝子の発現とともに、その発現制御領域でのヒストンの翻訳後修飾の変化を調べることで、がん細胞における遺伝情報発現異常の本質を理解していきたい。, 研究課題/領域番号:20012016, 研究期間(年度):2008 – 2009, 出典:研究課題「ゲノム不安定性を示すマウスを利用した新しいがん抑制遺伝子の単離とその機能解析」課題番号20012016 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20012016/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {ゲノム不安定性を示すマウスを利用した新しいがん抑制遺伝子の単離とその機能解析}, year = {2018} }