@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053917, month = {Mar}, note = {消化管上皮幹細胞の未分化性維持にはWntシグナルが重要な役割を果たしており、その分化誘導にはBMPシグナルが重要である事が示唆されている。Wntシグナルを異常亢進させる遺伝子変異は消化器癌の発生原因として知られており、また、BMP受容体の変異たよるBMPシグナル遮断は家族性腫瘍疾患の原因である。本研究では、WntとBMPシグナルの相互作用による胃粘膜上皮分化制御機構を明らかにする事を目的とし、Wntシグナル亢進によって胃がんを発生するK19-Wnt1/C2mEマウスを用いてBMPシグナルの変化について解析し、BMPシグナル抑制マウスモデルを新たに作製して胃粘膜上皮分化増殖への影響を解析した。 遺伝子発現解析の結果、Wntシグナル亢進に起因して発生するマウス胃がんでは、BMP受容体発現の顕著な低下を認めた。この受容体発現低下による細胞増殖への影響を解析するために、コンディショナルにBMP受容体を発現する胃がん細胞を作製したが、増殖や腫瘍原性への影響は認められなかった。したがって、BMP抑制は腫瘍発生の初期段階に関与している可能性が考えられた。 また、BMPシグナルの内在性抑制因子であるnogginを胃粘膜で発現するK19-Nogマウスを作製した。K19-Nogマウスの胃粘膜には変化が認められなかったが、胃炎を自然発症するK19-C2mEマウスと交配して作製したK19-Nogマウスの胃粘膜には変化が認められなかったが、胃炎を自然発症するK19-C2mEマウスと交配して作製したK19-Nog/C2mEマウスでは、約20%の個体で胃に腫瘍が発生した。組織学的にはWntに起因して発生した腫瘍よりも、未分化な上皮細胞で構成されていた。さらに、腫瘍組織ではWntシグナルが亢進している事も明らかになった。以上の結果から、WntとBMPはお互いに制御関係にあり、Wnt活性化とBMP抑制が同時に起こる事により、腫瘍発生作用している可能性が示唆された。, 研究課題/領域番号:18012017, 研究期間(年度):2006 – 2007, 出典:「WntおよびBMPシグナルの相互作用による胃粘膜上皮分化制御機構」研究成果報告書 課題番号18012017 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18012017/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {WntおよびBMPシグナルの相互作用による胃粘膜上皮分化制御機構}, year = {2018} }