@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053938, month = {Mar}, note = {全身的な副作用を軽減した子宮内膜症に対する局所治療の開発を目的として、ヒアルロン酸を用いた薬剤送達システム(DDS)として、ダナゾール含有生体内分解性薬剤除放出ゲル(DZゲル)を考案した。 作成したダナゾール(DZ)ゲルは、ヒアルロン酸にグルタリル基を導入することにより形成される微少な疎水性の腔にダナゾールが保持されている。DZゲルは病巣部のヒアルロニダーゼや活性酸素により分解され、内包されていたダナゾールが周囲組織に放出される。1%、1.5%、2%のヒアルロン酸ゲルは14日間でそれぞれ98%、73%59%のダナゾールを放出した。側鎖導入率を0.3としたDZゲルは14日間で97%のダナゾールを放出するが、0.6では48%のダナゾールを放出した。 組織培養系の実験では、ラット子宮内膜上皮細胞を分離培養し、ダナゾールゲルの増殖抑制効果を検討した。10Mダナゾールで著明な抑制効果を認めた。 動物実験系では、ラット子宮内膜症モデルを子宮内膜片をラット腹部皮下に自家移植することにより作成した。形成された子宮内膜嚢腫にDZを局所注入し、その病理組織像、体積変化、子宮内膜嚢腫組織中および血中ダナゾール濃度並びに性周期を検討した。DZゲルを投与した子宮内膜嚢腫の上皮細胞は投与しない嚢腫に比較して、細胞質の減少、核周囲の空胞化や核濃縮像を示した。PCNA抗体溶性細胞数は対照群3.7に対してDZ投与群では0.9で細胞死の著明な増加と増殖能の低下が認められた。子宮内膜嚢腫壁のダナゾール濃度は1週目で30μMと高値を示し、3週目でも6μMの濃度が維持された。一方、血漿中ダナゾール濃度は1週目で4ng/mlであったが、2週目以降は1ng/ml以下であった。子宮内膜嚢腫の体積変化は、DZゲル投与後9週間で約60%に縮小した。またDZゲル投与期間中の性周期は正常に保たれ、排卵数においても対照群との間に有意差を認めなかった。 この結果から、DZゲルを用いたダナゾールの局所療法は、性周期を保った状況下で子宮内膜症の病巣を縮小させることが明らかとなった。, 研究課題/領域番号:17016027, 研究期間(年度):2005, 出典:「女性ホルモン依存性がんに対するナノテクノロジー技術を用いた新しいDDSの開発」研究成果報告書 課題番号17016027 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17016027/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域医学系}, title = {女性ホルモン依存性がんに対するナノテクノロジー技術を用いた新しいDDSの開発}, year = {2018} }