@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00053999, month = {Dec}, note = {本年度も例年通り、夏季と冬季の2回の全体調査を中心に研究を進めた。 土器や玉器、石器の分析については、主に田螺山遺跡と良渚遺跡群で活動した。特に良渚遺跡群では、鐘家港出土の最新資料を実見する機会を得て、石器や玉器などに未成品が多く存在することを改めて確認することができた。漆器についても、同地点の出土遺物を調査し、数点の漆製品の製作に関わる遺物が存在することを確認した。これらのことからも、鐘家港には様々なモノを製作する工房群が存在したことが明らかとなった。良渚遺跡群ではこれまでに囲壁やダム状遺構、大型墓などが確認されてきたが、工房群の発見は良渚遺跡群の都市的様相と中心性を示す新たな一要素となった。 研究成果の発信については、2018年度も積極的に進めることができた。特に6月に南京で開催された国際学会「SEAA Conference Nanjing 2018」ではメンバー間で密に連絡を取りながら充実した内容のセッションを開催することに成功した。本セッションには世界各地の研究者が参加し、研究内容について高い評価を得ることができた。 研究交流としては、総括班・国際活動支援班と連携し、10月に北京大学の専門家を日本に招聘した。本計画研究の大きな目的の一つである物質文化の変遷について、これまで良渚文化の編年や絶対年代についてやや曖昧な部分を残していた。しかし、良渚遺跡群の年代を専門の一つとする中国の研究者との議論を経て、最新の年代観、研究の詳細や問題の所在を明らかにすることができた。, これまで行ってきた河姆渡文化期の田螺山遺跡の調査は、土器・石器・玉器ともにほぼ分析が完了した。したがって、2018年度には、良渚文化へと至る社会の複雑化の過程で、それらがいかに変化するのかを明らかにしてきた。この目的を達成するため、良渚遺跡群での調査が中心となった。特に各種の遺物を豊富に出土した鐘家港での調査は重要であり、良渚文化の物質文化の特徴を一定程度、確認することができた。 また、北京大学や南京博物院考古研究所の専門家を日本に招聘し、研究交流を行った。それにより、良渚文化の中心地区だけではなく、蒋荘遺跡をはじめとする周辺地区の状況についても、詳細な情報を得ることができた。 これらの成果は個人による学会発表や論文執筆だけではなく、「SEAA Conference Nanjing 2018」や領域企画展を通して、計画研究全体として成果を発信している。, 研究課題/領域番号:15H05965, 研究期間(年度):2018-04-01 – 2020-03-31, 出典:研究課題「物質文化の変遷と社会の複雑化」課題番号15H05965 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PLANNED-15H05965/)を加工して作成, 金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系}, title = {物質文化の変遷と社会の複雑化}, year = {2019} }