@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054011, month = {Apr}, note = {癌治療の成否は癌の転移および再発をいかに防ぐかにかかっている。転移の完全抑制こそ、癌治療の最大の課題と言える。本研究では転移の抑制および転移癌の治療法の開発を最終目的として、我々が独自に開発した受精鶏卵を用いるヒト癌転移系と転移細胞の検出法を駆使して、転移抑制に効果的な物質および効果的な使用法の研究開発を展開中である。 平成4年度の研究では、特異的DNA増幅反応法(PCR:Polymerasechainreaction法)を応用した転移細胞検出法及び病理組織学的手法を用いて受精鶏卵胎児におけるヒト癌細胞の動態を中心に調べた。その結果、受精鶏卵の血管内に移植したヒト癌細胞は移植後数分間で胎児組織に90%以上補捉され、移植後8時間から24時間以内に血管外に移行し、24時間後より増殖することが明らかになった。受精鶏卵法により、標的臓器の血管内皮細胞への接着、基底胯浸潤、増殖の各転移過程における癌細胞の生物学的解析が可能であることが明らかにされた。さらに、ヒト癌培養細胞にやけるIV型コラゲナーゼ及びその特異的阻害因子TIMP(tissueinhibitorofmetalloproteinase)の発現をノーザンブロット法により調べた結果、高転移性の線維肉腫栽養株、HT-1080ではIV型コラゲナーゼが恒常的に発現しているのに対して、その阻害因子の一つであるTIMP-1の発現がみられないことから、コラゲナーゼの発現と供に、TIMPによる活性制御が転移・浸潤において重要な意義を持つことが明らかになった。特異抗体を用いた免疫組織化学染色法によりヒト癌細胞の転移巣における細胞接着因子、コラゲナーゼ及びプラスミノーゲンアクチベーターの発現を調べた結果、ヒト線維肉種HT-1080細胞の鶏卵胎児肝転移巣ではフィブロネクチン、ラミニン及びコラーゲンに対する接着受容体であるVLA-3(α_3β_1インテグリン)の発現は見られるが、フィブロネクチンに対する接着受容体であるVLA-5(α_5β_1インテグリン)の発現は見られないこと、さらにIV型コラゲナーゼ、間質コラゲナーゼ及びウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターなども高レベルで発現していることが明らかになった。, 研究課題/領域番号:04152051, 研究期間(年度):1992, 出典:「受精鶏卵を用いたヒト腫瘍転移実験モデルの確立とその応用」研究成果報告書 課題番号04152051 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04152051/)を加工して作成, 金沢大学がん研究所}, title = {受精鶏卵を用いたヒト腫瘍転移実験モデルの確立とその応用}, year = {2016} }