@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054020, month = {Apr}, note = {モノクロ-ナル抗体によるタ-ゲッティング療法の中では、抗がん剤や細胞毒結合体に比べて、放射性物質を用いるradioimmunoconjugate法が原理的には最もシンプルかつ強力である。しかし腫瘍への絶対的・相対的な集積量が低いため診断・治療共に実用化に至っていない。radioimmunoconjugateを用いたがんの核医学的診断法には、放出γ線エネルギ-や物理的半減期より、現時点では ^<111>In(インジウム)が標識に最も適当な放射性核種と考えられている。しかし従来からの ^<111>In標識方法では、血液、肝、脾への非特異的な放射能集積が高いため、これらの臓器内や近傍の腫瘍の検出の障害になることが我々の検討より判明した。そこで、腫瘍集積性を減少させることなく、組織代謝を利用し正常組織への放射能分布を低減する新しい標識法の開発を目的として、標識用核種と抗体の中間に化学スペ-サとしてエステル化合物を導入した。具体的には、架橋剤であるEGSとキレ-ト剤であるDTPAを用いて、抗大腸癌抗体にジエステルスペ-サを挿入した。in vitroでの検討より、EGS対抗体比で10:1までは抗体の免疫活性は低下せず、充分な比放射能で標識できることが明らかとなった。ヒト大腸癌移植のヌ-ドマウスを用いた動物実験の結果では、血中からの放射能消失は従来法に比べ2ー3倍に促進され、肝や脾等の正常組織分布が減少した。エステルは肝等に特異的に存在するエステラ-ゼにより分解されるため、正常組織から放射能が速やかに洗い出される一方、エステラ-ゼを含まない腫瘍組織では、タ-ゲッティングされた放射能は安定に留まると考えられた。この方法により、診断面ではより微小な腫瘍の検出が可能となり、また治療面では組織毒性の低下に伴い投与量を増加できるため、腫瘍集積性の増幅効果が期待できる。今後さらにin vitroで標識条件の最適化をはかり、動物実験により、従来法との比較をダブルトレ-サ法を用いて詳細に行う予定である。, 研究課題/領域番号:02152042, 研究期間(年度):1990, 出典:「化学スペーサによる放射性核種標識モノクローナル抗体の腫瘍集積性増幅に関する研究」研究成果報告書 課題番号02152042 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02152042/)を加工して作成, 金沢大学がん研究所}, title = {化学スペーサによる放射性核種標識モノクローナル抗体の腫瘍集積性増幅に関する研究}, year = {2016} }