@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054193, month = {Apr}, note = {本研究の目的は,動物の運動が小脳や神経回路網でなされた情報処理と制御によって,身体と環境とのダイナミックスをカップルさせ,引き込み現象として実現されているかを明らかにすることである.具体的な対象を蝶として,翅と空気が相互作用を起こしつつ引き込みが発生し,羽ばたき飛行が実現されるかを調べる目的で,下記の研究を行った. (1)動力学シミュレータ 昨年度,蝶を多剛体系とし,空気力を付加質量の慣性力と翼面の動圧に比例する力でモデル化する単純法で,数学モデルを定式化した.実験結果と比較したところ,左右の翅の空気流が干渉する部分で,数学モデルの精度の低さが明らかになった.そのため,他方の翅によって誘起される流れの影響,空気のせき止めの効果,引き剥がし効果を考慮し,集中渦法に基づき数学モデルを再度定式化し,蝶の羽ばたき飛翔の動力学シミュレータを構築した.実験結果との比較により,揚力と抵抗において良い一致を示し,単純法に比べて精度は改善された,しかし,ピッチングモーメントは,良い一致を示さず,課題を残した. (2)羽ばたき運動の実験 計測研究代表者の所属変更に伴い,昨年度構築した実験システムを再構築した.胸部を天秤に固定した蝶を風路中に置き,一様流中で羽ばたかせる.その際の運動をカメラで光学的に計測し,同時に蝶を固定した天秤で力を計測するシステムである.実験により運動と力のデータを取得したが,実験装置取扱いのミスが実験終了後に判明し,今後に実験を継続して行い取得する.また,使用した風洞の流れが平行でなく,改修の予定である. (3)羽ばたき飛翔の実現 上述のように動力学シミュレータの精度は保証できないが,シミュレータを用いて数学モデルの蝶を飛翔させる動作を探索した.空気力の計算に単純法を用いたモデルでは,実際の蝶の羽ばたき動作に近い飛行が可能であったが,渦法に基づくモデルでは見出すことは出来なかった.単純法の場合でも羽ばたき飛行を可能とする引き込みは発生せず,今後,数学モデルに再度検討を加える必要がある.また,実験も継続し,その原因を調査する., 研究課題/領域番号:13875191, 研究期間(年度):2001 – 2002, 出典:「身体と環境との相互作用により引き込みを生じる運動の発現解明と実現に関する研究」研究成果報告書 課題番号13875191 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13875191/ )を加工して作成, 金沢大学理工研究域機械工学系}, title = {身体と環境との相互作用により引き込みを生じる運動の発現解明と実現に関する研究}, year = {2016} }