@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054291, month = {Mar}, note = {がんの悪性化は腫瘍内の血管形成と密接に関わる。そこで腫瘍血管新生の分子メカニズムを明らかにすることを目的として、血管形成に関わる血管内皮細胞と血液細胞および壁細胞の細胞間相互作用の解析を行なった。今回、特定の腫瘍モデルにおいては、造血幹細胞は新生された血管の内皮細胞を裏打ちして血管構造の安定化および血管拡張を誘導することが判明した。これら造血幹細胞の内皮細胞への裏打ちを抑制すると、腫瘍周囲に形成されるfibrous cap内の血管床の形成が未成熟となり、腫瘍の増大も抑制することが判明した。この造血幹細胞による血管の安定化、拡張においては造血幹細胞の分泌する血管内皮細胞に発現するレセプター型チロシンキナーゼTie2のリガンドであるアンジオポエチン-1が関与することに加え、造血幹細胞の血管壁細胞への分化が一因となっていることが判明した。そこで、Tie2の活性化により誘導され、血管成熟に関わる遺伝子の候補のスクリーニングを行った。Tie2の活性化により内皮細胞よりACEの分泌抑制がもたらされることが判明した。正酸素状態では内皮細胞は壁細胞の分泌するアンジオポエチン-1により常に活性化した状況であり、この際にはACEの分泌は抑制されている。しかし低酸素ではTIE2の不活性化に伴い、ACEの分泌が上昇する。局所において、AngiotensinIがACEにより活性化型のAngiotensinIIに変換されるとAngiotensinII受容体とVEGF受容体VEGFR2のクロストークによる血管透過性亢進することが判明した。低酸素状態における血管透過性の亢進が血液細胞の腫瘍内への浸潤を誘導し、腫瘍血管新性を促進する機構にTIE2の不活性化によるACEの分泌が亢進することが起因していると考えられた。, 研究課題/領域番号:14028023, 研究期間(年度):2002 – 2004, 出典:「血管新生における分子基盤の解明とその制御」研究成果報告書 課題番号14028023 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14028023/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {血管新生における分子基盤の解明とその制御}, year = {2018} }