@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054384, month = {Dec}, note = {研究目的 本研究は、機能的残気量(FRC)測定値の決定因子および検査結果に影響を及ぼす要因を明らかにするために、健常症例を対象にしたFRC測定のモデル解析を行った。また、生理的な肺内不均等分布の関与について調べFRC測定のシステム同定を試みた。 研究方法 肺機能検査のすべての項目の基準範囲を満たす症例200例(男性92例、女性108例)を無作為に抽出し対象とした。また、FRC値による細分類によりサブ解析を行った。FRCは、ヘリウム(He)ガス閉鎖回路法によって測定した。肺の構造モデル解析は、コンパートメントモデル解析を行った。また、He濃度平衡曲線から、0.25分間(15秒間)ごとの時限変化量を求め、それぞれの区間の変化量を要素とした単変量解析および重回帰分析を行った。 研究成果 コンパートメントモデル解析では、He濃度平衡動態から、肺は、比較的単純な構造の一つの混合室であり、肺末梢の生理学的な気流の肺内不均等分布を検出できないことが明らかになった。 He濃度平衡曲線の解析では、検査開始直後のHe濃度の時限変化量(単変量)では、FRC測定値を十分に説明できなかった。検査開始初期の要素と中盤の要素をそれぞれ統合した0.25-0.75分間と1.00-1.50分間の2要素を説明変数とすることで、重相関係数0.949、決定係数0.899と良好な適合度を示した。回帰分析の結果は、肺末梢の構造によってモデルの完全性が失われたと考えることで説明できた。記録中間の変化量因子は、肺末梢の構造に由来する不完全混合室に適応するための修正項とみなされた。 Heガス閉鎖回路法によるFRC測定は、生理的な肺内不均等分布の関与しない比較的簡単な肺構造でのガス拡散を反映していた。FRC測定は、一つの不完全混合室へのHeガスの拡散モデルとしてシステム同定された。肺末梢の微細な構造による換気不均等を反映しない反面、検査開始初期と中間の濃度変化量を規定因子とした重回帰式で良好なFRCの推定値の算出が可能であった。, 研究課題/領域番号:15H00610, 研究期間(年度):2015, 出典:研究課題「肺構造モデル解析に基づく機能的残気量(FRC)測定のシステム同定」課題番号15H00610 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15H00610/)を加工して作成, 金沢大学附属病院}, title = {肺構造モデル解析に基づく機能的残気量(FRC)測定のシステム同定}, year = {2016} }