@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054541, month = {Apr}, note = {本研究は、吸着ヒートポンプ(AHP)の作動吸着系である冷媒吸着質と蓄熱吸着材をそれぞれ多成分(マルチコンポーネント)化することにより本ヒートポンプの冷熱生成性能の向上を図るものである.昨年度の結果を踏まえ,本年度は,ヒートポンプ操作において重要となる組込み吸着系の過渡的吸着特性と試作密閉型AHP装置による冷熱生成機能の評価を行い,次に示す知見を得た.1)メタノールに比べ毒性の少ないエタノールを吸着質に用いた場合,シリカゲル,粒状および繊維状活性炭に対する蒸気吸脱着平衡は,メタノールの場合と概ね同様の関係を示し,1200〜1500m^2・g^<-1>の比表面積を有する繊維状活性炭が多量のエタノール蒸気吸着量を示した.また,全ての吸着系の平衡関係はLangmuir吸着等温式で整理できることが分かった.2)吸着温度30℃,蒸発温度20℃における水蒸気およびアルコール蒸気の吸着速度は,吸着材によらず蒸気圧の高いアルコールの場合が速く,水蒸気で40〜50分,アルコール蒸気で15〜20分の吸着時間によりほぼ平衡に到達する.3)アルコール/シリカゲルおよび活性炭系の過渡的吸着現象は,1次元粒子内拡散吸着モデルで再現でき,粒子径を考慮したアルコール蒸気の粒子内拡散係数(D/r^2)は,繊維状活性炭の場合,シリカゲルに比べ10^3培以上となることが分かった.4)シリカゲルを吸着材に用いた場合の水・メタノール系混合冷媒の過渡的な蒸発組成変化は,それぞれの蒸気圧と吸着速度の影響を受け,通常の気液平衡から推算される値とはかなりの差異を生じる.5)メタノール水溶液/シリカゲル・活性炭混合系を用いたAHPでは,水およびメタノールを単独に冷媒として用いた場合と比較して,冷熱生成量やその温度レベルに飛躍的な向上は認められなかった.これは,混合吸着材への水蒸気の吸脱着速度が遅いことに加え,再生過程において活性炭から脱着した水蒸気が近接するシリカゲルへ再吸着することによると考えられ,冷熱生成性能の向上を図るためには,混合吸着材の分離充填が必要となることが明らかとなった., 研究課題/領域番号:10750546, 研究期間(年度):1998 – 1999, 出典:「冷媒吸着質と蓄熱吸着材をマルチコンポーネント化した高性能吸着ヒートポンプの開発」研究成果報告書 課題番号10750546 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10750546/)を加工して作成, 金沢大学理工研究域}, title = {冷媒吸着質と蓄熱吸着材をマルチコンポーネント化した高性能吸着ヒートポンプの開発}, year = {2016} }