@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054581, month = {Apr}, note = {遺伝子のコアプロモーター上には基本転写因子(TFIID,TFIIB,TFIIE,TFIIFとTFIIH)が転写開始複合体を形成する。一方、酵母の転写補助因子Gal11は、RNA polymerase IIholoenzyme(holo PNAPII)の構成因子であり、基本因子TFIIEおよびTFIIHと相互作用することにより、コアプロモーター構造に依存して基礎転写を制御する。そこで、プロモーター構造特異的な基本因子と補助因子(Gal11)の作用機構について検討した。 1, TFIIHは転写開始時にRNAOPIIの最大サブユニットのC末端領域を燐酸化するが、この活性がGal11とTFIIEの両方により制御されていることを明らかにした(J.Biol.Chem.273:9534-9538)。さらに、転写開始においてDNA鎖が「開く」過程におけるGal11,TFIIE,TFIIHの機能について検討した。その結果、これらの因子はDNA鎖のopeningにも関与していることが示唆された。 2, TFIIEのプロモーター特異的な作用機構を調べていく過程で、TFIIEやTFIIHは転写活性化因子に対しても特異性を示すことが明らかになった。現在、転写活性化領域の構造との関連について検討している。 3, TFIIE非依存的なGAL80遺伝子は、転写開始点領域(イニシエーター)のみで正確な転写を行う。そこで、イニシエーターに依存した転写機構について解析した結果、イニシエーターに特異的タンパク質が結合することが転写制御に必要であることが明らかになった(BBRC 255:157-163)。 これらの研究によりGal11,TFIIEおよびTFIIHは転写開始から伸長反応への移行過程を制御していることが示唆された。この過程が遺伝子のコアプロモーター構造や転写活性化因子により制御されていることは非常に興味深い。この特異的な作用機構の解明は、今後、遺伝子の発現調節を理解する上で重要な課題と考えられる。, 研究課題/領域番号:09780627, 研究期間(年度):1997 – 1998, 出典:「基本転写因子のプロモーター構造特異的な作用機構」研究成果報告書 課題番号09780627 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-09780627/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域医学系}, title = {基本転写因子のプロモーター構造特異的な作用機構}, year = {2016} }