@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054598, month = {Apr}, note = {本研究によって顔面神経軸索障害後の運動神経核内における、神経細胞および周囲のグリア細胞の解剖学的変化についての知見が得られた。顔面神経の中枢神経内(脳内)および末梢部の軸索障害後、1週目から10週目にかけて顔面神経内の変化を観察した。抗GFAP抗体を用いて活性化アストロサイトをラベルし、障害神経核内のグリオーシスパターンを検討し、またsynaptic strippingとして知られている起始神経細胞からのシナプスの遊離現象を抗シナプスフィジン抗体を用いて観察した。顔面神経末梢軸索圧迫モデルでは手術後に顔面運動の完全麻痺がみられたが、運動神経細胞数の減少はみられなかった。synaptic strippingやアストロサイトの活性化は手術後3週目まで増強がみられ、顔面運動の改善が観察された後から、正常の状態に戻っていった。中枢神経内軸索切断モデルでは、障害後4週目には運動神経細胞の著明な減少がみられた。末梢軸索障害モデルと比較し中枢内軸索障害モデルでは、synaptic strippingやアストロサイトの活性化が強くかつ遷延して認められた。この顔面神経中枢内軸索障害モデルは、外傷性脳損傷後の神経細胞死や細胞死に至る経時的変化を検討するための、潜在的価値のある新しいモデルであると考えられる。顔面神経障害後に、一部の動物では糖質コルチコイド(プレドニゾロン)の腹腔内投与を行い、1週間後に効果を検討した。中枢軸索障害後には、クロマトリーシスに陥った神経細胞数は、非投与群に比較して少なかった。またsynaptic strippingやアストロサイトの活性化は、投与群において明らかに抑制されていた。これらの結果から、糖質コルチコイドには軸索障害部における抗炎症作用以外にも、神経の変性や再生の過程に直接の影響、効果があることが期待され、今後末梢性顔面神経麻痺の治療の際に末梢の軸索障害部への影響のみではなく、顔面神経核レベルへの影響も考慮が必要であると考えられた。, 研究課題/領域番号:09771340, 研究期間(年度):1997 – 1998, 出典:「顔面神経麻痺後遺症としてみられる病的共同運動は改善するのか?」研究成果報告書 課題番号09771340 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-09771340/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域医学系}, title = {顔面神経麻痺後遺症としてみられる病的共同運動は改善するのか?}, year = {2016} }