@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054631, month = {Mar}, note = {中枢へ抗がん剤を送達するためには、その移行障壁となる血液脳関門(BBB)を克服する必要がある。そこで本研究では、脳腫瘍に焦点をあて、ペプチドトランスポーターをBBBに発現させることにより、ペプチド様抗がん剤を選択的に送達することを目的として以下の検討を行った。 1.ペプチド性抗がん剤を輸送するオリゴペプチドトランスポーターhPEPT1を発現するアデノウイルスベクターAdhPEPT1-EYFPを作製し、血液脳関門におけるペプチド輸送機能発現を株化細胞RBEC1を用いてin vitroで確認した。AdhPEPT1-EYFPの感染効率はその他の培養細胞と比較してあまり高いものではなかったが、放射性標識カルノシンを基質とした輸送活性はGFP発現アデノウイルス感染細胞あるいは非感染細胞と比較して、約10倍程度の取り込み上昇が見られた。 2.In vivoでの輸送機能発現を検討するに当たって、まずは感染効率の高い肝臓を用いてin vivoでの外来オリゴペプチドトランスポーター導入により、どの程度のペプチド化合物の組織移行性向上が見られるかを検討した。マウスにAdhPEPT1-EYFPを静脈投与し、hPEPT1-EYFPの発現をRT-PCRならびにWestern blot、凍結切片の免疫染色により検討したところ、いずれの実験によってもhPEPT1-EYFPの発現が確認された。そこで、AdhPEPT1-EYFPに感染したマウスにカルノシンを静脈内投与して、30分後に肝臓への組織移行性を評価したところ、カルノシンのKp値は約7倍に増大した。このことから本ベクターを用いてin vivoにおいても臓器レベルでペプチド輸送活性を有効に付与できることが示された。一般に脳移行性の低い化合物について同様の検討を行った場合、例えば細胞間隙にのみ分布するイヌリンを用いて測定すると、約0.2程度の値がえられる。このことから、もし仮にAdhPEPT1-EYFPによる脳毛細血管内皮細胞への発現効率が肝臓の35分の1以上であるとするならば、血液脳関門においても何らかの輸送活性が検出できる可能性が考えられた。, 研究課題/領域番号:13218052, 研究期間(年度):2001, 出典:「BBB指向性トランスポーター発現アデノウイルスベクターを用いた抗がん剤脳腫瘍送達」研究成果報告書 課題番号13218052 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13218052/)を加工して作成, 金沢大学理工研究域}, title = {BBB指向性トランスポーター発現アデノウイルスベクターを用いた抗がん剤脳腫瘍送達}, year = {2018} }