@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054700, month = {Apr}, note = {PCKラットの拡張肝内胆管を構成する胆管細胞には、病理組織学的に2種類の異なる形質を有するものがあることを見出した.すなわち、PCKラットの肝組織切片を用いた免疫染色で、通常の胆管細胞と同様の上皮系形質を有するものに加えて、胆管上皮マーカー(cytokeratin19, CK19)の発現が低下し、代わって間葉系マーカー(vimentin, fibronectin)が陽性を示す胆管細胞があることを明らかにした.さらに、PCKラットの培養胆管上皮細胞をTGF-β1で刺激すると、間葉系マーカー(vimentin)と細胞外マトリックス(fibronectin、collagen)の発現が著明に亢進し、一方、胆管上皮マーカー(CK19)の発現は低下した.一方、E-cadherin、タイトジャンクション蛋白(zonula occludens-1)の発現や細胞形態に変化はなく、α-SMA(筋線維芽細胞マーカー)の発現誘導も認めなかった.以上の成績から、PCKラットの胆管細胞はTGF-β1により脱分化を起こし間葉系細胞の性質を獲得することで、肝線維化に関与している可能性を示した.この胆管上皮細胞の性質の変化は筋線維芽細胞への分化ではなく、いわゆるepithelial to mesenchymal transition(EMT)とは異なる現象と考えられた.さらに、ヒト先天性肝線維症、カロリ病の肝組織切片でTGF-β1の細胞内シグナル伝達分子であるリン酸化Smad2の免疫染色を行った結果、胆管細胞におけるリン酸化Smad2の発現は対照群と比較して有意に増加していた.この結果から、ヒト先天性肝線維症、カロリ病においても胆管細胞が肝線維化に関与している可能性が示唆された., 研究課題/領域番号:17790230, 研究期間(年度):2005 – 2007, 出典:「肝線維嚢胞性疾患における肝線維化の分子機構」研究成果報告書 課題番号17790230 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17790230/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域医学系}, title = {肝線維嚢胞性疾患における肝線維化の分子機構}, year = {2016} }