@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054841, month = {Apr}, note = {MT1-MMPは、その発現が癌の悪性度と高い相関性を示すのみならず、ノックアウトマウスで深刻な骨形成異常を引き起こすことから病理的にも生理的にも生体内で重要な役割を果たしていると考えられる。本研究では平成15年度に細胞膜表面上でのMT1-MMP活性の分子制御機構の解明を目的とした発現クローニング法を新たに開発し、関連分子の検索を行った。本年度は平成15年度に同定したMT1-MMPの活性制御に関わると予測された膜型セリンプロテアーゼ(TTSPs)の一種であるモザイクセリンプロテアーゼおよび機能未知遺伝子を中心にMT1-MMP活性に及ぼす影響の検討を行った。 モザイクセリンプロデアーゼは、スクリーニング結果から予測された膜貫通ドメイン近傍でのMT1-MMP切断活性のみならず、他に複数の部位での切断活性を有していた。これらの切断部位はMT1-MMP酵素活性に対して正あるいは負に作用することが予測されたが、MT1-MMPによるゼラチナーゼA活性化能・細胞運動・細胞浸潤活性の検討から全体としてMT1-MMPに対して正の制御活性を有していることが明らかとなった。また、モザイクセリンプロテアーゼはMT1-MMP活性化酵素として報告されているフューリンと類似した酵素活性を有していることからMT1-MMP活性化について冗長性がある可能性が考えられた。モザイクセリンプロテアーゼは他の膜型MMPの中でもMT4-MMPに対してのみ切断活性を有していたことからその基質特異性は何らかの生理的意義があるものと予測された。MT1-MMPの細胞膜表面上での活性制御機構としてはこれまでに自己分解、エンドサイトーシスによる取り込み・リサイクリングが知られていたが、膜型セリンプロテアーゼによるMT1-MMPの切断はMT1-MMP活性制御機構に新たなパラダイムを提唱するものと考えられた。 機能未知遺伝子はそのアミノ酸配列から細胞膜4回貫通型のタンパク質であることが予測され、その活性としてはMT1-MMPによるレポータータンパクの切断を亢進することが明らかとなった。この遺伝子は直接レポータータンパクの切断を誘導しないことからMT1-MMP活性を調節することでこのような活性を発揮しているものと考えられた。, 研究課題/領域番号:15790115, 研究期間(年度):2003 – 2004, 出典:「癌浸潤における膜型マトリックスメタロプロテアーゼ活性制御分子の検索」研究成果報告書 課題番号15790115 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15790115/)を加工して作成, 金沢大学がん進展制御研究所}, title = {癌浸潤における膜型マトリックスメタロプロテアーゼ活性制御分子の検索}, year = {2016} }