@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054899, month = {Apr}, note = {最近の造血幹細胞移植では、より強化された免疫抑制剤を用いてHLA不一致の移植を行うことも可能となってきた。その場合、移植の成功を規定する因子として免疫抑制状態下での感染症、特にウイルスの再活性化による致死的感染症が問題となる。以前は、サイトメガロウイルス(以下CMV)か、再活性化を代表する病原体であったが、抗ウイルス剤とγ-グロブリン製剤の効果的使用により発症頻度は減少した。本研究では、今後より強い免疫抑制状態下で発症頻度が増加すると予想される、アデノウイルス(ADV)、BKウイルス(BKV)、水痘帯状庖疹ウイルス(VZV)、CMV、Ebstein-Barrウイルス(EBV)の5種類のウイルス再活性化状態をリアルタイムPCRを用いて定量的にウイルス再活性化状態を評価した。造血幹細胞移植を施行された15名の患児を対象とした。患児の状態に変化がないときは、2週間毎に血清を採取した。発熱、血尿、GVHDの悪化した場合は、その都度検体を採取した。総検体数256の検討から、以下の結論が導かれた。(小児造血幹細胞移植において) 1.CMVウイルス再活性化は、4/256で臨床上問題とならなかった。(いわゆる感染症)CMVに関しては、現在の予防法で十分と考えられた。 2.ADV、ADVの再活性化は、対象患者15名中それぞれ1例のみであった。致死性にはいたらなかったが両ウイルス共に長期に渡り検出された。臨床的には出血性膀胱炎の様相を呈していたが、ウイルス学的にはウイルス血症であり常に、重篤化する可能性が考えられた。 3.5/15名で帯状疱疹が発症した。通常帯状疱疹は、神経節に潜伏していたVZVの再活性化によるもので、支配神経領域に一致した局所疾患と考えられているが、PCR法によりウイルス血症であることが証明された。確かに免疫抑制状態下での全身VZV感染症は致死的となるので、今後この方法を用いてのウイルス量の詳細な検討により全身感染症へのリスクの層別化が可能と考えられる。, 研究課題/領域番号:14770350, 研究期間(年度):2002-2003, 出典:「致死性アデノウイルス感染症の病態解析に関する研究: 骨髄移植後の再活性化を中心に」研究成果報告書 課題番号14770350 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14770350/)を加工して作成, 金沢大学附属病院}, title = {致死性アデノウイルス感染症の病態解析に関する研究: 骨髄移植後の再活性化を中心に}, year = {2016} }