@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054903, month = {Apr}, note = {原発性胆汁性肝硬変(PBC)の肝内胆管破壊の分子機構として、菌体成分に対する胆管細胞の反応性(自然免疫機構)について検討し、以下の成果を得た。 1.ヒト胆管細胞の樹立:PBC(4例)の他、対照疾患3例の肝組織からヒト胆管細胞株を樹立した。 2.ミトコンドリア抗体(AMA)と菌体成分との交差反応性:ウシ心筋ミトコンドリアおよび菌株(P.acnes, E.coli)を抗原としてウエスタン法を行い、血清中AMAの対応抗原を検出した。その結果、ウシ心筋ミトコンドリアおよび菌体を抗原としたパターンとは一致せず、菌体のミトコンドリア成分の他、多数の蛋白成分と反応性を示し、AMAは菌体成分に対する自然抗体の一部であることが明らかとなったが、菌種特異的な抗体でないことが示唆された。 3.胆管細胞における自然免疫機構の解明:上記培養胆管細胞株を用いて、胆管細胞は細菌成分認識受容体であるToll-like receptor (TLR)2,3,4,5および関連分子であるMD-2、TLRの下流に存在する細胞内シグナル分子(MyD88,IRAK-1)を発現しており、さらにTLRリガンド(菌体の主要細胞壁成分であるリポポリサッカライド,ペプチドグリカン)の刺激でNF-κBの活性化およびTNF-αの産生を示した。また、胆管細胞はIFN-γ(Th1型サイトカイン)存在下でTLR発現が亢進し、さらにTLRリガンドに対する反応性も亢進した。以上より、胆管細胞はリポポリサッカライドなどの菌体成分を認識することにより炎症性サイトカインを産生し、またPBCの胆管周囲の環境であるTh1型サイトカイン優位な状態では菌体成分に対する感受性も亢進していることが示唆された。 4.以上の結果より、胆管細胞は独自の自然免疫機構を有しており、また菌体に対する自然免疫現象がPBCの胆管病態形成に加担していると推測され、自然免疫の制御がPBCの新たな治療法となることが示唆された。, 研究課題/領域番号:14770071, 研究期間(年度):2002-2003, 出典:「原発性胆汁性肝硬変における肝内胆管破壊の分子機構」研究成果報告書 課題番号14770071 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14770071/)を加工して作成, 金沢大学医薬保健研究域医学系}, title = {原発性胆汁性肝硬変における肝内胆管破壊の分子機構}, year = {2016} }