@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00054912, month = {Apr}, note = {シリコンを直流加熱することで結晶表面で観測されるステップの不安定化,ステップの蛇行とステップの束状構造の形成,について調べた.直流電流により生じると考えられる吸着原子の流れを取り入れたモデルを用い,微小なステップ位置の変化に対する微斜面の線形安定性解析を行った.また,モンテカルロ・シミュレーションを用いて不安定化したステップの振る舞いについて調べた. 1.シリコン(111)微斜面の蛇行については以下のことが明らかになった.(1)吸着原子の流れがステップに対して下段方向にある場合に蛇行が生じる.(2)ステップの蛇行により結晶表面には溝状の構造が現れる.(3)溝状構造の形成は,吸着原子の蒸発がないことによる.(4)溝の周期は吸着原子の流れの速度の-1/2乗に比例し,時間の1/2乗で振幅が増大する.(1),(2),(4)については実験結果と一致した.(3)については,保存系でステップの蛇行を記述する,他の原因によるステップの蛇行と同様な非線形方程式で表わせることが分かった. 2.シリコン(001)微斜面の蛇行と束形成については以下のことが明らかになった.(1)束形成は流れの向きによらず生じるが,蛇行は上段向きのみで生じる.(2)蛇行はステップ間に斥力があることが重要である.(3)(001)微斜面でも(111)微斜面同様な溝構造が生じ,その振る舞いは保存系に特有な非線形方程式で表わせる.(4)蛇行でのステップの揺らぎ幅は時間の1/2乗に比例する.(5)ステップ束の形成には,保存系においては拡散係数の異方性がテラスごとに入れ替わることが重要であり,カイネティクス係数が入れ替わる効果は小さい.(1),(2),(3)は実験と一致した.(1)では,これまでの数値シミュレーションと実験との矛盾の原因を明らかにした.(2)により,初めて理論的および計算機実験的に蛇行の起こる機構を説明している.(4)により,不安定化の機構が正しいか否かを調べる物理量の変化の予測を,実験に対して提案している.(5)により,シリコン(001)における2つの異方性のうちどちらが重要であるかがあきらかになり,成長則を調べる際の適切なモデルを明らかにした。, 研究課題/領域番号:14740231, 研究期間(年度):2002-2003, 出典:「吸着原子のドリフトによる結晶表面上のステップ列の挙動」研究成果報告書 課題番号14740231 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14740231/)を加工して作成, 金沢大学総合メディア基盤センター}, title = {吸着原子のドリフトによる結晶表面上のステップ列の挙動}, year = {2016} }