@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00057222, month = {Apr}, note = {皮膚創傷治癒過程は,炎症期,増殖期,成熟期と3つの時期に大別される生体防御反応である.この過程に関与する様々な細胞は,細胞表面分子を介した細胞間相互作用によって制御されている.細胞表面のガラクトース糖鎖は細胞間相互作用に重要な役割を果たしていると考えられているが,未だ詳細な検討はなされていない.本研究では,皮膚創傷治癒過程におけるガラクトース糖鎖の生物学的意義の解明を目的として,β-1,4-ガラクトース転移酵素(GalT)-I欠損(KO)マウス及びヘテロマウスの背部に皮膚欠損創を作製し,創傷治癒に関与する種々の因子についての経時的測定を行い,治癒の程度を比較検討した. ヘテロマウスに比べGalT-I KOマウスは創の閉鎖率,肉芽組織内における血管内皮細胞占有率,再上皮化が,各々有意に減少していた.さらに,損傷部におけるコラーゲン量が有意に減少しており,それらに関与する分子(TGF-β1,CTGF,COL1A1)並びに血管新生に関与するVEGFの発現が,各々有意に減少していた.損傷部における炎症の様態については,ヘテロマウスに比べGalT-I KOマウスでは,マクロファージ数及びケモカイン(MCP-1,MIP-1α,MIP-2)の発現が,各々有意に減少していた. 以上から,コントロールマウスに比べGalT-I KOマウスは炎症反応の減弱が認められ,また,組織修復や血管新生に関与する遺伝子発現の減少が認められた.その結果として,GalT-I KOマウスでは皮膚創傷治癒が遅延したものと判断された.GalT-Iはセレクチンのリガンド糖鎖であるシアリルLexの生合成に関与していることから,GalT-I KOマウスでは創部へ白血球浸潤細胞数の減少が生じ,その結果,それら細胞群が分泌する増殖因子等の減少が生じたことで治癒が遅延したと考えられる., 研究課題/領域番号:13470101, 研究期間(年度):2001 – 2003, 出典:「皮膚の創傷治癒過程における癌関連遺伝子の動態とその法医病理学的応用」研究成果報告書 課題番号13470101 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13470101/)を加工して作成, 金沢大学医学系研究科}, title = {皮膚の創傷治癒過程における癌関連遺伝子の動態とその法医病理学的応用}, year = {2016} }