@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00057583, month = {Sep}, note = {アルクマーンのいわゆる「宇宙論的詩」について考察した。これはオクシュリンコスで発見されたパピルスの断片に記されていたもので、紀元前7世紀の詩人アルクマーンの詩についての注解である。パピルスは紀元後2世紀のものと考えられており、注解者の名前は不詳である。 注解によるとアルクマーンは宇宙論を述べた詩を書いたとされ、その宇宙論では全世界の創造者として女神テティスの名前があげられているという。後のギリシア神話ではテティスはむしろ弱小神とされているため、この注解に関しては多くの議論が行われている。 本研究ではまず、注解書の歴史を考察することにより、テキストと注解書の関係について考察した。紀元後2世紀ころ、すなわち当該パピルスとほぼ同時代の注解書であるスコラ哲学者コルヌートスの注解、『イーリアス』の「スコリア」等を調べた結果、その時代にはきわめて独特な文学理解があり、注解書はいずれもその方針にそって記されていることが判明した。それは『イーリアス』やその他の詩を、宇宙の自然現象として説明するというものである。したがってアルクマーンのいわゆる「宇宙論的詩」の注解も、このような「注釈の伝統」に則って書かれたものとみなされるべきことが論証された。 次ぎに、アルクマーンの詩の特徴、彼が生きた紀元前7世紀のスパルタの状況などを考察し、「宇宙論的詩」の中で歌われているテティスの役割を調べ、この歌が実際には『イーリアス』1巻の、テティスの嘆願場面を扱ったものである可能性が高いことが考察された。, 研究課題/領域番号:12610576, 研究期間(年度):2000 – 2001, 出典:「初期ギリシア文学における神々の相克」研究成果報告書 課題番号12610576 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12610576/)を加工して作成, 金沢大学工学部}, title = {初期ギリシア文学における神々の相克}, year = {2003} }