@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059608, month = {Apr}, note = {本研究では、複素平面上に於ける有理型函数の値分布理論,すなわちNevanlinna理論を、如何なる整合性を以て関連分野に応用するかにその主題を置いた。具体的には、超越有理型函数の反復理論と有理型函数を係数に持つ常微分方程式の研究について、Nevanlinna理論の基本的結果が持つ意味を明らかにしつつ、今後の応用とその理論自身の精密化についての方向付けを模索した。 有理型函数の反復理論については、特異点または特異値の集合である導函数の零点及び漸近値に注目して、昨年度の研究で得られた二階導函数の零点と写像の単葉性に関する結果を拡張した。Bergweiler-Eremenkoによる漸近値に関する定理等、複素力学系を値分布の研究に応用する道筋については或程度明らかにすることができた。しかしながら、複素力学系へ値分布理論の寄与という形での成果については本年度の研究で得ることはできなかった。 有理型函数或いは代数型函数の対数導函数が持つ性質は、有理型函数を係数とする代数的微分方程式の考察で重要な役割を演じる。本研究では逆命題成立の可否について調べ、代数型函数解を持つ高階線型斉次常微分方程式の係数体と解の対数導函数、即ち一階線型斉次常微分方程式の係数体とが一致するための十分条件を得た。その文脈において当初の目的を達し、結果的に複素振動理論における既知の結果の著しい拡張を与えた:有理型函数のなす或微分係数(閉)体Kを取り、その上で超越的な一つの有理型函数Aを固定する。体K上のAの一次式として全ての係数が表現される斉次線型常微分方程式について、その代数型な解の値分布に関する評価式を得た。これにより、その対数導函数がKの元となるための十分条件、或いはその係数による表現式を求めた。 何れも過渡的な成果ではあるものの自己完結している。, 研究課題/領域番号:08740094, 研究期間(年度):1996, 出典:研究課題「値分布論および複素力学系の研究と微分方程式の理論への応用」課題番号08740094 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-08740094/)を加工して作成, 金沢大学理工研究域数物科学系}, title = {値分布論および複素力学系の研究と微分方程式の理論への応用}, year = {2016} }