@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059727, month = {Apr}, note = {1.内皮細胞障害におけるAGE-RAGE系の役割 (1)AGE-BSA)をヒト皮膚微小血管内皮細胞に投与したところ、内皮細胞の増殖、管腔形成が有意に促進された。AGE-BSAの増殖促進活性は抗体AGE-BSA抗体のみならず抗AGE-RNaseA抗体でも同様に消去されたことから、AGEに共通する特異構造が内皮細胞増殖促進活性を有するものと考えられた。また、AGEは内皮細胞における血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor,VEGF)遺伝子の発現を誘導し、AGEがもつ血管新生活性が抗VEGF抗体で中和されることが見い出された。さらに、AGEは微小血管内皮細胞のプロスタサイクリン産生を阻害するとともに、プロスミノーゲンアクチベータ-インヒビター(PAl-1)産生を亢進させた。 (2)内皮細胞におよぼすAGE効果はreceptor for AGE(RAGE)に対するアンチセンスDNAでほぼ完全に制御された。したがって、これらのAGEはRAGEを介して認識され、内皮細胞に作用するものと推定された。 (3)ヒトRAGE遺伝子を内皮細胞で特異的に働くkdrプロモーターの下流に連結して受精卵に移入し、RAGEを過剰発現するトランスジェニックマウウスを作製した。 2.動脈硬化病巣石灰化の分子機構 AGEは濃度依存的にウシ網膜周皮細胞に作用し、骨芽細胞形質のマーカーであるalkaline phosphataseの遺伝子発現と活性を誘導し、Ca沈着を促進させた。 以上より、AGEは内皮細胞表面に存在するRAGEとの相互作用によりオートクリンVEGFを介して血管新生を誘導する一方、プロスタサイクリン産生を低下させ、PAl-1産生を上昇させることで血栓傾向をもたらし、周皮細胞への作用と相俟って糖尿病性細小管症の発症、進展を促すものと結論づけられた。さらに、動脈硬化病巣における血管新生や血栓形成、石灰化にもAGE-RAGE系が関与している可能性が示唆された。, 研究課題/領域番号:09281211, 研究期間(年度):1997, 出典:研究課題「動脈硬化における内皮障害と石灰化の分子機構 」課題番号09281211 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09281211/)を加工して作成, 金沢大学医学部}, title = {動脈硬化における内皮障害と石灰化の分子機構}, year = {2016} }