@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059781, month = {Apr}, note = {リソソームの主たる役割である様々な生体内高分子の分解の際,リソソームにタンパク質が移行する重要なステップは,基質タンパク質を含む膜小胞がリソソームと融合して,その内容物をリソソームへ受け渡すことである.そこで本研究ではホモティピカルなリソソーム間膜融合に注目し,そのin vitroのアツセイ系の確立を試みた.リソソーム膜融合の検出には,抗原抗体複合体形成を利用した.抗原としてFluorescein isothiocyanate(FITC)を西洋わさびペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase:HRP)で標識したもの,抗体として抗FITC抗体を用いた.またリソソームへのリガンドの取り込み効率を上げるため,それぞれをアシアロフェチュインまたはガラクトースで修飾した.両リガンドを取り込んだリソソームの調製は,それぞれのリガンドを別々のマウスに静脈内投与した後,40分後に肝臓からパーコール密度勾配遠心法を用いた.このリガンドを取り込ませたリソソームを試験管の中でサイトゾル,ATP存在下,37℃でインキュベートした.その後,融合によって形成した抗原抗体複合体をprotein A-Sepharoseで回収し,そのHRP活性を発光法によって測定しリソソーム膜融合の指標とした。 その結果,リソソームの膜融合はエンドソームやゴルジ体の膜融合反応と同じ温度依存性を示し20℃以下では起こらなかった.さらに,サイトゾル,ATP濃度依存性を示し,膜融合阻害剤として用いられているN-エチルマレイミドおよびGTγSに対する感受性も示した.また,リソソーム膜融合は,エンドソーム膜融合にはみられないGTP要求性を示した.ln vivo系においてリソソーム酵素のリソソームへの輸送の阻害や,リソソームの形態変化を起こすことが報告されているウォルトマニンやノコダゾールに対する感受性を検討した結果,リソソーム膜融合はウォルトマニンで阻害されたが,ノコダゾールでは阻害されなかった.従って,in vitroにおけるリソソーム膜融合には,PI3キナーゼが関与するが,細胞骨格は関与しない可能性が示唆された., 研究課題/領域番号:09877434, 研究期間(年度):1997, 出典:研究課題「リソソームのホモティピカルな膜融合機構の解析 」課題番号09877434 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09877434/)を加工して作成, 金沢大学薬学部}, title = {リソソームのホモティピカルな膜融合機構の解析}, year = {2016} }