@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059907, month = {Apr}, note = {【目的】肺癌に対する体外肺切除術の安全性を確立し,臨床でも合併症なく施行できる術式とすることを目的として実験を施行した。【研究方法】雑種成犬を用い,肺癌に対する体外肺切除モデルを作成した。実験動物を全身麻酔の後,左主肺動脈,肺静脈の中枢側を鉗子で遮断し切離後,左主気管支を切断し左肺を摘出する。摘出した左肺をEuro-Collins液で灌流し,体外で後葉を前葉から分離し1時間保存する。この間,縦隔リンパ節を周囲の脂肪組織を含め充分に郭清する。次いで,後葉を上肺静脈,主気管支,主肺動脈の順に吻合し自己肺移植を完了する。この実験系に対し次の3群を作成した。1群,気管支吻合部の被覆なし;2群,気管支吻合部を有茎肋間筋で被覆;3群,気管支吻合部を有茎大網で被覆。各群に対して以下の項目を測定した。1.経時的に気管支ファイバースコープにて吻合部を観察し,レーザー血流計にて気管支粘膜の組織血流量を経時的に測定する。2.術中,術後の肺表面組織血流量,動脈血ガス分析等を施行する。3.経時的に胸部X線写真を撮影する。4.犠牲屠殺し,気管支・血管の吻合部,移植肺,健側肺の病理組織を検討する。4.各群の生存日数の比較。【結果】1.肺表面組織血流は肺移植直後では開胸時と比べて各群ともに80%前後と良好であった。開胸時,移植直後のPaO_2,PaCO_2も各群ともに良好であった。2.各群の成績では1群では6頭中5頭が3〜26日以内に死亡した。死因は出血1例,気管支吻合部縫合不全3例,肺炎1例であった。2群では4頭中1頭のみ30日以内に死亡(気管支吻合部縫合不全)した。3群では5例中2頭が30日以内に死亡したが,気管支吻合部縫合不全によるものはなく,衰弱,肺炎によるものであった。3.経時的な気管支ファイバースコープ,胸部X線写真ともに合併症のない群では良好な所見を呈した。気管支粘膜の組織血流量は2群,3群は1群に比べ特に術後7日以内で良好であった。【まとめおよび今後の課題】肺癌に対する体外肺切除術施行時の気管支吻合部合併症予防に有茎肋間筋被覆,有茎大網被覆は有用と考えられたが,今後症例数を増やしてさらに検討していく必要がある。, 研究課題/領域番号:08671519, 研究期間(年度):1996, 出典:研究課題「体外肺切除術に関する実験的研究」課題番号08671519 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-08671519/)を加工して作成, 金沢大学医学部附属病院}, title = {体外肺切除術に関する実験的研究}, year = {2016} }