@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059912, month = {Apr}, note = {1)S-D種雄性ラットの左中大脳動脈をナイロン糸を用いて塞栓し、脳梗塞を作成した。その結果、ラット膀胱容量は有意に減少し(排尿反射の亢進)、梗塞作成2週後には偽手術ラットの2分の1以下になった。排尿反射の亢進は梗塞作成後4カ月の時点でも認められた。脳梗塞作成から4カ月経過後膀胱を摘出し、Magnus法に準じ利尿筋切片の薬理学的検討を行った。その結果、膀胱平滑筋細胞のチャンネル機構の障害あるいは収縮要素自体の障害が存在し、レセプターを増加させることで収縮力を補っている可能性が示唆された。 2)グルタミン酸のNMDA受容体拮抗剤であるMK-801を脳梗塞ラットに静脈内投与すると、覚醒下では膀胱容量の減少を、ウレタン麻酔下では増大をみとめた。偽手術ラットではウレタン麻酔下高濃度のMK-801でないと膀胱容量の増大がみられなかった。脳梗塞ではNMDA受容体とAMPA/kainate受容体を共に遮断することで亢進した排尿反射の抑制が得られると推測された。 3)脳梗塞後側脳室内にカルシウム拮抗剤を投与すると膀胱容量の増大が得られたが、最大膀胱収縮圧、残尿量は変化がみられなかった。偽手術ラットでは膀胱容量はほとんど変化が認められなかった。脳梗塞状態では、カルシウム拮抗剤は中枢に作用して排尿反射を抑制する効果があると思われた。 以上より、脳梗塞ラットには排尿反射の亢進がみられるが、長期にわたり反射が亢進していても膀胱利尿筋に生ずる変化は比較的軽度であると思われる。また、排尿中枢における刺激伝達系にはグルタミン酸が関与しており、カルシウム拮抗剤は、NMDA受容体を介するカルシウムの流入を抑えることで、あるいは脳血流を改善することで亢進した排尿反射を抑制すると考えられる。, 研究課題/領域番号:08671802, 研究期間(年度):1996 – 1997, 出典:研究課題「脳卒中後遺症としての神経因性膀胱の成因および治療法に関する実験的研究」課題番号08671802 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-08671802/)を加工して作成, 金沢大学医学部附属病院}, title = {脳卒中後遺症としての神経因性膀胱の成因および治療法に関する実験的研究}, year = {2016} }