@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00059942, month = {Apr}, note = {本年度は満期産新生児と、神経系の成熟期間のほぼ等しい胎齢40週前後の現在32名に集積された早産児データの模倣と注視反応を比較分析し、胎内(満期児成熟)と胎外(早産児、早期経験)の経験の質が異感性間協応に寄与する意味を探った。 1.模倣生起率(1回でも模倣が生起した人数/その刺激を受けたのべ人数)は満期産新生児では動作条件が静止条件よりも高く、動作条件では正顔が乱顔より選好された(p〈.05 図1)。早産児においても動作条件が静止条件より高いが、刺激間では動作条件において正顔、目顔が輪郭顔より高〈P〈.05)、正顔と乱顔に有意差は無かった。満期産児を比較すると、早産児は正顔、目顔乱顔に生起率が高く、これらに差が見られなかったが、満期産児では早産児より目顔、乱顔、正顔の生起率が低かった。胎外経験の長い方が、全体的に舌出し生起率は高いが、正顔選好Face prefe renceが明瞭(正顔が乱顔より選好)なのは胎内経験の長い方であった。 2.総注視時間は満期産児では動作条件において目顔、乱顔、正顔が輪郭顔より長かった動作条件では「目」と「舌」が、静止条件では「目」が注視された(図2)。早産児においても総注視時間は動作条件が静止条件より長く(F_<1、31>=12.365,p〈.01)、刺激間(F_<3.93>=17.138,p〈.05)では各動作、静止条件において、正顔、目顔、乱顔が輪郭顔より長く注視された(Tukey IISD p〈.05)。満期産児と早産児を比較すると、全体的に総注視時間は早産児(胎外経験の長い)方が長く、動く「舌」が長く見られた。 3.微笑生起率(微笑が一回でも生起した人数/のべ人数)は満期産児では正顔動作図版に14人中4人みられたが、全体的に少なかった(図3)。早産児では全体にどの刺激にも微笑が生起し、かつ乱顔には拒否(こわばり、退き、渋面)が現われ、対人的反応を想定させた。 4.満期産児には模倣と注視の選好パターンの近似は認められにくかった。早産児では模倣と注視の選好パターンの近似が、早期胎外経験が視覚-触運動協応を準備させることを示唆した。 5.微笑の生起は満期産児、早産児両者において、模倣や注視の図版選好パターンと異なっていることからこれらと発生が別系統であることを示唆させた。 満期産児の更なるデータの補完と、早産未熟児に関してより多くのデータを集積し、在胎週数(32週以下、以上)により群化し、諸測度の検討を行なえば、舌出し模倣の現象を通して、初期コミュニケーションと異感性間協応のメカニズムが明らかにされる。, 研究課題/領域番号:07202202, 研究期間(年度):1995, 出典:研究課題「早期の経験および神経系の成熟が顔の動きの模倣に及ぼす影響」課題番号07202202 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07202202/)を加工して作成, 金沢大学教育学部}, title = {早期の経験および神経系の成熟が顔の動きの模倣に及ぼす影響}, year = {2016} }