@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060116, month = {Jun}, note = {本年度は主として受胎後齢10週以前の早産児を対象に、4種の舌出し顔図版(正顔、目顔、乱顔、輪郭顔)を静止条件で呈示した後、動作条件で呈示し、両条件下での舌出し模倣、注視反応時間、微笑などを分析して次のことを明らかにした。 1.模倣反応 生起率(反応が1回でも生起した人数/のべ人数)は静止条件よりも動作条件が、また動作条件の正顔、目顔、乱顔が輪郭顔より高かった。 2.注視反応時間 注視時間は静止条件より動作条件で長かった。これは動く舌が注視を惹いたことによると考えられる。両条件下で正顔、目顔、乱顔が輪郭顔より長く注視され、正顔と乱顔に対する注視反応は近似した。「目」は注視を惹きやすかった。 注視反応と模倣反応の図形選好のパターンが似ていることは(正顔≒目顔≒乱顔>輪郭顔)、早期(受胎後齢40週前後)早産児に一体的な非感覚様相的知覚amodal perceptionを想定させる。顔図版の選好には明暗の複雑性(正顔、乱顔)とコントラストの要因が推察されるが、Backs(1985)の、顔は見るのが容易いからreadily visible選好されるという感覚仮説(sensory hypothesis)や、Klciner(1988)の視覚選好は平面刺激の物理的特性と視覚系の感受能力に基づくとする線形システムモデル、乳児のコントラスト感受能力と顔のパターンが持つ振幅スペクトラムが適合するため、感受可能な振幅成分が最大になるパターンが選好されるとするエネルギー仮説(energy hypo.)が示唆される。 3.微笑、拒否反応 生起率(反応が一回でも生起した人数/のべ人数)は少なく、全体として条件差は認めにくいが、正顔と目顔に微笑が現われ、非常に少ないが乱顔に拒否(こわばり、退き、渋面)が現われた。模倣や注視反応と図版選好パターンが異なり、発現が別系統であることを示唆させる。 4.受胎後齢40週前後の早産児の模倣と注視行動は、満期産児の図版選好パターンとは異なるが、模倣と注視の一体性を想定させる点では似たメカニズムがうかがえた。 5.今後更にデータを集積して生下時の体重(SFD,AFD)、在胎週数(32週以下,以上)により群化し諸測度の検討を行なえば、舌出し模倣に関する初期異感性間協応のメカニズムが、また現在進行中の満期産新生児との比較から、初期の経験の意味が明らかにされる。, 研究課題/領域番号:06205202, 研究期間(年度):1994, 出典:研究課題「乳児期のコミュニケーションおよび異感性間協応の発達としての顔の動きの模倣の研究」課題番号06205202 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06205202/)を加工して作成, 金沢大学教育学部}, title = {乳児期のコミュニケーションおよび異感性間協応の発達としての顔の動きの模倣の研究}, year = {2018} }