@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060193, month = {Apr}, note = {ヘムエリスリン(Hr)は星虫等の酸素運搬体として作用している2核鉄錯体である。現在,機能モデルとして可逆的酸素化能を有する錯体は,北島氏等が合成した錯体と,我々が合成した二種の錯体しか知られていない。鉄(II)錯体は酸素による不可逆的酸化を受けやすく,ヘムエリスリンでは不可逆的酸化に対する防御機構が働いている。本研究ではこの不可逆的酸化の防止が可能な機能モデルの構築を目指した。 本研究では,二核化配位子の立体的・電子的効果により可逆的酸素化能を有する二核鉄錯体の合成に成功した。特にPh‐bimp錯体([Fe_2(Ph‐bimp)(OBz)O_2]^<2+>:Ph‐bimp=2、6‐[bis(3‐methyl‐4、5‐diphenylimidazolylmethyl)aminomethyl]‐4‐methylphenolate)では室温でも数時間程度安定な酸素錯体が得られた。これら酸素錯体中の酸素の配位形式はHrの場合とは異なるが,酸素が可逆的に脱着する優れた機能モデルの構築が可能となった。また合成錯体の酸素化反応の熱力学的パラメータの測定が初めて可能となった。その結果,これら合成錯体の室温での酸素親和性は,Hrにくらべ10^4倍程度低いことがわかった。この原因として合成錯体のエントロピー変化は,Hrに比べ不利であることが明かとなった(合成錯体:ΔS=‐297‐‐310J/mol・K;Hr:ΔS=‐75‐‐84J/mol・K)。このことは,タンパク部によるエントロピーの効果が大きく作用していることを示唆しており,今後配位環境の合目的分子設計と同時に反応場の分子設計をも取り入れた反応系の構築が必要である。, 研究課題/領域番号:06640718, 研究期間(年度):1994, 出典:研究課題「二核鉄酸素錯体の開発とその酸化・酸素化触媒能の研究」課題番号06640718 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06640718/)を加工して作成, 金沢大学理学部}, title = {二核鉄酸素錯体の開発とその酸化・酸素化触媒能の研究}, year = {2016} }