@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060215, month = {Apr}, note = {リソソーム指向性の塩基性薬物はリソソームに蓄積し顆粒内pHを上昇させるとともに空胞化を起こす。この塩基性薬物による効果をセルフリー系で確認する目的で単離リソソームを塩基で処理したところリソソームはATP依存的に崩壊した(塩基性薬物依存性リソソーム崩壊)。空胞形成機構として,リソソーム間や他の空胞系顆粒の融合が考えられた。そこでリソソーム膜融合機構の解析を行った。その過程でGTPγSで処理したサイトゾルによりリソソームが崩壊することをみいだした(GTPγS依存性リソソーム崩壊)。(1)塩基性薬物依存性リソゾーム崩壊はプロトンポンプ依存的に,リソゾーム内にプロトン付加型塩基の塩が高濃度に蓄積するために,リソゾーム内の浸透圧が上昇し崩壊するものと考えられた。このリソゾームの崩壊はサイトゾルの添加で顕著に抑えられた。この機構はサイトゾル因子はによりリソソーム内に塩基の蓄積が阻害された結果と考えられた。このサイトゾル因子ラット肝臓から単離されたグルココルチコイド受容体の核内移行促進因子と同じであることを明らかにした。(2)リソソーム膜融合機構について,融合によるリソソームの比重変化を指標とした。in vitroでのリソソーム間膜融合のアッセイ系を用いた、リソソーム間膜融合はサイトゾル及びATP要求性で,かつ温度依存性であった。この融合機構は,(a)サイトゾル因子の他,リソソーム膜蛋白質の関与がある。(b)細胞内小胞輸送の融合装置の普遍的なコンポーネントと考えられているNSFや,GTP結合蛋白質の関与はない。(c)IP_3受容体チャンネルからの動員による一過性のカルシウムイオン濃度の上昇が必要である,などが示唆された。(3)GTPγS依存性リソソーム崩壊は,(i)GTPγSによるサイトゾルのGTP結合蛋白質の活性化(ii)活性化GTP結合蛋白質によるATP要求性のリソソームの崩壊,の2段階の部分反応によっていることが考えられた。GTP結合蛋白質によって活性化される標的蛋白質としてPLA_2が示唆された。, 研究課題/領域番号:06807167, 研究期間(年度):1994, 出典:研究課題「リソソームの崩壊機構とGTP結合蛋白質」課題番号06807167 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06807167/)を加工して作成, 金沢大学薬学部}, title = {リソソームの崩壊機構とGTP結合蛋白質}, year = {2016} }