@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060280, month = {Mar}, note = {難治癌である膵癌の早期診断と鑑別診断の向上をめざして、膵液中hTERTmRNAの検出が膵癌診断法としていかなる意義を有するかについて検討した。 各種膵疾患患者より、十二指腸内視鏡下経乳頭的に純粋膵液をセクレチン刺激下に分画採取し、-80℃にて凍結保存した。一方、膵癌細胞株、膵癌組織、膵液より、Total RNAを抽出した。次いでRT-PCRを行い、電気泳動後、hTERTmRNAの発現を判定した。コントロールとして、G3PDHプライマーを用いた。 膵癌細胞株(PaCa-2、PANC-1)や膵癌組織では、すべてhTERTmRNAが陽性であった。一方、凍結保存膵液の検討では、膵癌18例中6例(33%)にhTERTの特異バンドが検出されたが、粘液産生膵腫瘍7例と慢性膵炎24例には、検出されなかった。膵癌症例の臨床病理学的因子についてみると、腫瘍径別では、腫瘍径2cm以下のTS_1症例では、hTERTmRNAの陽性率は67%(2/3)と高率であったが、腫瘍径2cm以上のTS_2,TS_3,TS_4では、それぞれ0%,43%,50%であった。また、膵癌の占拠部位別では、頭部で38%(3/8)、体部で38%(3/8)、尾部で0%(0/2)であった。さらに、臨床病期別では、stageIで100%(1/1)、stageIIで0%(0/2)、stageIIIで33%(1/3)、stageIVで30%(3/10)であった。一方、同一症例でのK-ras変異の陽性率は、HPA法で71%(12/17)、MASA法で82%(14/17)であり、p53変異はPCR-SSCP・direct sequencing法で44%(7/16)であった。また、K-rasとp53が共に変異陰性を示した3症例中1例にhTERTmRNAの発現がみられた。以上のように、膵液中のhTERTmRNAは、癌特異性の高い新しい膵癌遺伝子診断マーカーとして期待されるが、さらに検出感度を高める工夫が求められる。今後、膵液スメアを用いてhTERTを指標としたin situhybridizationやhTERTに特異的なモノクローナル抗体による免疫染色の検討も試みたい。, 研究課題/領域番号:12217053, 研究期間(年度):2000, 出典:研究課題「膵液中hTERTを指標とした膵癌診断法の開発」課題番号12217053 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12217053/)を加工して作成, 金沢大学がん研究所}, title = {膵液中hTERTを指標とした膵癌診断法の開発}, year = {2018} }