@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060287, month = {Mar}, note = {癌細胞の表面には特徴的な糖鎖構造が見い出されており,それらが細胞のがん化と浸潤,転移に関連していると言われている。実際,癌細胞特異的な腫瘍抗原の多くは糖鎖抗原であり,腫瘍マーカーとして診断にも利用されている。本研究では,我々が作製したGalT-I欠損マウスを用いて,これらの腫瘍抗原,特にシアリルLe^xなどの糖鎖構造が,細胞のがん化と形成された腫瘍細胞の増殖や浸潤,転移などの性質に与える影響を明らかにする。そのために,本年度は化学発がん剤による発がん実験及び腫瘍細胞株の単離とその性質の解析を行った。 GalT-Iホモ欠損マウスとヘテロ欠損マウスの皮膚に0.5%メチルコラントレン(MC)を0.05mlずつ週2回計10回塗布し,経時的に腫瘍形成を観察した。塗布終了後140日後まで観察したところ,どちらのマウスにおいても60日から100日後ぐらいから乳頭腫様の腫瘍形成が認められ,腫瘍の数には有意な差は認められなかった。しかし140日後までに直径10mm以上の腫瘍を形成したマウスは,GalT-I欠損マウスの方が少なく,GalT-I欠損マウスでは腫瘍の増殖速度が遅い傾向が見られた。次にこれらの腫瘍から細胞の調製を行い,現在までのところ,GalT-I欠損マウスより2系統,コントロールマウスより1系統の腫瘍細胞を単離した。GalT欠損マウス由来腫瘍細胞のin vitroでの倍加速度は,コントロールの約2倍であり,マウス皮膚での増殖速度を反映する結果が得られた。まだ例数が少ないので各々のマウスから10系統ぐらいの腫瘍細胞を単離して,増殖速度はもとより,フォーカスの形成能,軟寒天培地でのコロニー形成能,細胞外基質に対する接着能,ヌードマウスに移植した時の生着率や他の臓器への浸潤,転移能などを詳細に解析する予定である。また,マウス後肢に1mgのMCを投与して肉腫形成を誘導したり,胎仔由来の初代繊維芽細胞から株化細胞の樹立も進行しており,それらについてもGalT-I欠損の影響を解析する。, 研究課題/領域番号:12215036, 研究期間(年度):2000, 出典:研究課題「糖転移酵素遺伝子欠損マウスを用いた発癌・転移における糖鎖機能の解析」課題番号12215036 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12215036/)を加工して作成, 金沢大学医学部}, title = {糖転移酵素遺伝子欠損マウスを用いた発癌・転移における糖鎖機能の解析}, year = {2018} }