@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060294, month = {Apr}, note = {交雑系(129/Sv x C57BL/6)のGalT-I KOマウスは,予想に反して発生過程に問題はなく正常に発生した。そこでGalT-I欠損の影響を更に解析するために,近交系のマウスに8世代戻し交配したGalT-I KOマウスを作製した,すると驚いたことに,C57BL/6背景のKOマウスは出生時に100%死亡し,BALB/c背景のKOマウスは胎生後期に致死となることが明らかとなった。 BALB/c背景のKO胎仔の死亡時期を明らかにするために,胎仔を経時的に取り出して解析したところ,胎生14.5日から16.5日の間に死亡することが明らかとなった。胎仔と胎盤の重量を測定して同腹のコントロールと比較したところ,KO胎仔は胎生14.5日では若干小さく,その後成長が止まって16.5日までに死亡した。それに対して胎盤は胎生12.5日ですでに小さい傾向が見られ,14.5日では有意に発達が遅延していた。胎盤の組織切片を解析したところ,母体と胎仔を繋ぐ海綿状栄養膜層が薄く,胎仔側の迷宮層の血管形成が不全で,血流が著しく減少していた。胎仔組織の解析がまだ終了していないが,胎盤の所見からBALB/c背景のGalT-I KOマウスは胎盤の発達に異常があるために,胎生後期に致死となることが示唆された。 C57BL/6背景の胎仔は胎生17.5日から有意に成長の遅延が認められ,出生時の体重がコントロールの70%しかなく,未熟児の状態で出生することがわかった。新生児を調べると肺胞が全く膨らまずに死亡していたので,直接の死因は未熟児で出生するために肺呼吸に移行できないことであると考えられた。しかし出生前の胎盤を調べてみると程度は軽いもののBALB/c背景のGalT-I KOマウスと同じ異常が認められたので,このマウスも胎盤の発達異常が胎仔の成長遅延の原因と考えられた。以上の結果,GalT-Iが合成する糖鎖は胎盤の成長に必須であり,その機能はマウスの遺伝的背景により非常に強く影響を受けることが明らかとなった。, 研究課題/領域番号:12033202, 研究期間(年度):2000, 出典:研究課題「ガラクトース転移酵素遺伝子ノックアウトマウスを用いた糖鎖機能の解析」課題番号12033202 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12033202/)を加工して作成, 金沢大学医学部}, title = {ガラクトース転移酵素遺伝子ノックアウトマウスを用いた糖鎖機能の解析}, year = {2016} }