@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060352, month = {Apr}, note = {子ザル3頭および成人ザル3頭の計6頭のニホンザルを用いた。実験に際してはケタラールとペントバルビタールの静脈内注射により、十分な除痛と麻酔効果を得た。無処置群とEDTAを大槽に注入した群を作成し、EDTA注入群は注入後1週間後に開胸を行い4%パラフォルムアルデヒドに0.1%タンニン酸を混合した固定液で灌流固定を行った。頭蓋円蓋部の硬膜を損傷しないように頭蓋骨を除去し、頭頂部の硬膜・クモ膜・軟膜と脳実質を一塊として取り出し、その一部を光顕・電顕用標本とした。 結果:EDTA注入群では無処置群と比較して脳室のサイズが軽度拡大していた。クモ膜下腔の拡大やクモ膜の癒着はほとんどみられなかった。無処置群では免疫組織学的にはクモ膜絨毛ではarachnoid cell layer・cap cell cluster・central core内のクモ膜細胞周囲にE型カドヘンリンが陽性であった。EDTA群では無処置群とほぼ同様のE型カドヘリン分布を示したが、全体にその染色性の低下がみられた。電顕的にはEDTA群のcap cell clusterのクモ膜細胞間隙の拡大が目立ち、正常のcap cell clusterよりも嵌合がルーズになっている傾向を示した。さらに、central coreのクモ膜細胞にはintermediate junctionが解離している像がみられた。 これらの結果から、髄液吸収機構にクモ膜絨毛内のクモ膜細胞間の細胞間接着が関与しており、特にintermediate junctionの形成に関わるE型カドヘリンが密接に関係していることが示唆された。 今後は、一定量のクモ膜絨毛に含まれるこのE型カドヘリンをwestern blottingにより半定量を行い、免疫電顕的手法によりE型カドヘリンの超微レベルでの局在についても検索し、さらに、カオリン水頭症モデルにおけるクモ膜絨毛内E型カドヘリンの関与について検討する予定である。, 研究課題/領域番号:05771016, 研究期間(年度):1993, 出典:研究課題「E型カドヘリンの発現よりみたクモ膜絨毛における脳脊髄液の吸収機序」課題番号05771016 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05771016/)を加工して作成, 金沢大学医学部・脳神経外科}, title = {E型カドヘリンの発現よりみたクモ膜絨毛における脳脊髄液の吸収機序}, year = {2016} }