@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060377, month = {Apr}, note = {メシダ属Athyriumの4種1変種を対象として、「染色体の倍化による自殖性の進化」の仮説の検証をおこなった。酵素多型を遺伝マーカーとして交配様式の推定を行った結果、2倍体種のミヤマメシダの2集団とイヌワラビの1集団では自殖率は0となり、完全な他殖を行っていることが明らかになった。一方、4倍体種のタニイヌワラビ、ヤマグチタニイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、各1集団では自殖率はそれぞれ1,0.810,1となり、ほぼ優先的に自殖を行っていた。以上の結果から、メシダ属では"2倍体=他殖・4倍体=自殖という傾向が明確に存在し、実際に倍数化が自殖の進化の引金になったことが強く示唆された。 本研究のもう一方の主眼である、PCR-SSCPについては、適切な核ゲノム領域の選択が困難であったため、酵素多型解析におきかえるところまで至らなかった。しかし、SSCPの有効性の検証のため、以下の研究を行い、極めて有効な技術であることを確認した。谷川岳一帯にはハイマツとキタゴヨウそしてその形態的中間型であるハッコウダゴヨウsが生育する。この山系をフィールドとして、次の結果を得た。(1)他山系のハイマツ、キタゴヨウを材料にして、葉緑体のDNAのtrnL(UAA)3'exon〜trnF(GAA)の遺伝子間領域のPCR-SSCPを行った結果、両種のSSCPは明確に区別でき、種の細胞質遺伝マーカーとして有効であること。(2)谷川山系の形態的中間型はキタゴヨウ型の葉緑体DNAを持つこと。(3)谷川山系では形態的にはハイマツと区別できない個体でもキタゴヨウ型の葉緑体を持つものがあること。(4)2と3の結果から、谷川山系において、キタゴヨウからハイマツへの一方向的な浸透性交雑が起こっていることが示唆された。, 研究課題/領域番号:05740520, 研究期間(年度):1993, 出典:研究課題「PCR-SSCP法による同形胞子シダ植物の交配様式の推定」課題番号05740520 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05740520/)を加工して作成, 金沢大学自然科学研究所}, title = {PCR-SSCP法による同形胞子シダ植物の交配様式の推定}, year = {2016} }