@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060399, month = {Apr}, note = {低濃度(0.1-10ng/ml)のインターリュウキン8(IL-8)がヒト線維芽細胞でのサイトメガロウイルス(CMV)の複製をin vitroで増強することを認めた。このことは、我々が認めているHIV感染患者血清での数ng/mlに達するIL-8濃度の上昇が、AIDSにおけるCMV感染発症に関与していることを示唆している。一方、HIV患者末梢血単核球のLPS刺激下のIL-8産生能は低下していた。比較的低濃度のIL-8が好中球の殺菌能をin vitroで増強することを考えると、LPS誘導によるIL-8産生低下がこれらの微生物による日和見感染に関与している可能性がある。HIV感染者におけるIL-8産生調節機構の異常を解明することは、HIVによる日和見感染の機序を解明する手掛かりとなる可能性がある。 HIV感染によるLPS刺激時のIL-8産生抑制機構の分子生物学的解析を行なうために、LPS刺激によるIL-8遺伝子転写活性化に関与しているシス領域を同定した。IL-8遺伝子上流域のNF-kB結合可能領域が、LPS刺激によるIL-8遺伝子転写活性化に最も重要であり、LPS刺激によってp50-p65からなるNF-kBコンプレックスが形成され、HIV感染によってその形成が抑制された。さらに、nef蛋白がIL-8遺伝子プロモーターのbasalな活性を上昇させるのに対して、truncated Tat蛋白がIL-8遺伝子プロモーターのbasalな活性を低下させることを本年度の実験から認めた。 IL-8遺伝子転写抑制することが知られている、免疫抑制剤、グルココルチコイドならびにFK-506が、NF-kBを最終標的として、IL-8遺伝子転写を抑制することを示唆する結果を本年度の実験から認めた。これらの薬剤によるIL-8遺伝子転写抑制機構と、HIV感染による抑制機構の差異を検討することによって、HIV感染によるIL-8遺伝子転写抑制を解除する新たな手掛かりが得られることが期待される。, 研究課題/領域番号:05262204, 研究期間(年度):1993, 出典:研究課題「HIV感染に伴う免疫不全症とサイトカイン」課題番号05262204 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05262204/)を加工して作成, 金沢大学がん研究所}, title = {HIV感染に伴う免疫不全症とサイトカイン}, year = {2016} }