@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060441, month = {Apr}, note = {メタクリル酸エステルのリビング重合触媒は主に第I・IIA族有機金属化合物に限られてきたが,最近では第III・IV族AlやSiでも可能になった.しかし,活性の低いIIB族亜鉛を用いる重合はこれまで調べられていなかった.本研究ではIIB族有機亜鉛化合物(RZnX)によるメタクリル酸エステルの常温リビング重合系をアルミニウムの嵩高いフェノキシド(MAD)を加えてはじめて達成した.MADの添加効果は絶大で,-30℃〜室温の範囲でモノマーに対して僅か0.5mol%加えても重合速度は大きく加速された.UVやNMRスペクトルから真の重合性化学種はエステル自身ではなく,そのカルボニル基にMADが配位した錯体であることが確かめられた.MADの配位力はエステル置換基の大きさや溶媒に強く依存し,その効果はモノマーの活性化の度合いを通して重合速度にも反映した.トルエン中では一般のエステルは配位平衡が大きく右に片寄って錯体濃度が重合中ほぼ一定になるため,重合を通じて生長速度は変わらない.MMAやBzMAは0℃のトルエン中,MAD添加量5mol%で10分以内に高速重合して定量転化率に達した.この触媒系によるメタクリル酸エステルの重合機構は周期律表中で隣接するIIA族Mgのグリニャール試薬と同じアニオン機構で進み,III族Alが金属エノラート生長するのとは異なっていた.更に,重合は典型的なリビング機構で進み,ポリマー収率や分子量の増加は重合時間にきれいに比例した.異種エステル間で二段階重合すると,分子量分布を変えることなくブロック共重合体を定量的に得ることもできた.しかし,モノマーの組合せ方によっては第二モノマーの単独重合体も混じったポリマーが定量的に得られてくる予想外の結果を得た.これは第一モノマーの消費後にリビングアニオンと錯化していないMADの間で起こるルイス酸塩基反応に起因した連鎖移動によると考えられる.従って連鎖移動反応の起こり易さは生長末端のエステル置換基の大きさに依存し,二段階重合がどちらのコースで進むのか予測可能である.定量収率に至る重合過程の特定時期に限って連鎖移動が関与する重合例はこれまで知られていない.このような重合の特徴を擬似リビング性という新概念として提案した., 研究課題/領域番号:05650893, 研究期間(年度):1993, 出典:研究課題「有機亜鉛化合物によるメタクリル酸エステルの疑似リビング重合」課題番号05650893 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05650893/)を加工して作成, 金沢大学工学部}, title = {有機亜鉛化合物によるメタクリル酸エステルの疑似リビング重合}, year = {2016} }