@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060511, month = {Apr}, note = {北海道羽幌町の中二股沢および豊沢,同苫前町古丹別川,同小平町幌立沢および小平藥川,そして同夕張市大夕張シューパロ川において,白亜系蝦夷層群の調査を行い,層準を限定して石灰質ノジュール試料を多数採集した.その層準とはInoceramus uwajimensis帯である.羽幌町調査地は入口付近で閉鎖されていたため,往復30Km近い距離を踏破し多量の試料を運搬するという大変な労力を伴った反面,アマチュア化石収集家などによる石灰質ノジュールの掘出しが全くなく,各露頭で貴重な産状の観察ができた.特に昨年度までの調査および炭素・酸素同位体比分析の結果により,メタンが海底面直下で分解したことに起因して-45‰に達する炭素同位体比と,海底の水温を反映する酸素同位体比が得られている露頭について,興味深い結果を得た.そこでは直径40cmを超えるものから1cm程度のものまでが層序間隔50cm程度の間に濃集して存在していたが,層状に連続するわけではなく,またサイズ分布も無秩序であった.また,この密集帯の直上には10~20cmの厚さを持つベントナイト層(凝灰岩が再堆積したもの)が存在していた.この特徴は,蝦夷層群の大部分の露頭で観察されることと大きく異なっていた.メタンが海底直下まで上昇し,海底に噴出する前にベントナイト層がメタン上昇の「キャップロック」として働き,その直下の硫酸還元帯で嫌気的にメタンが分解された結果と解釈できる.このようなメタン由来の炭素を取り込んだノジュールは海底付近で形成されたものであるから,酸素同位体比を用いた海底古水温推定に利用できる.換言すれば,産状を確認することにより,海底古水温推定可能なノジュールを認識できる.このことは泥質岩から古環境評価を行う上で極めて重要であり,更なる分析を行い,この考察に十分な説得力を与えた上で公表する予定である., 研究課題/領域番号:19654076, 研究期間(年度):2007 – 2009, 出典:研究課題「分子化石の「ノアの箱舟」:石灰質ノジュールのシェルター効果が守る古環境情報」課題番号19654076 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19654076/)を加工して作成, 金沢大学自然システム学系}, title = {分子化石の「ノアの箱舟」:石灰質ノジュールのシェルター効果が守る古環境情報}, year = {2016} }