@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060544, month = {Apr}, note = {目的:原油に含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)類の等の有害化学物質が海や陸に生息する動物に及ぼす影響が懸念されている。実際に、重油が流出した汚染海域において、稚魚の脊柱彎曲や魚のふ化個体数の減少が観察されている。本研究では、PAHが体内で代謝されて生成した水酸化体(OHPAH)が骨代謝に影響を及ぼすとの仮説を設けて、これを証明すべく、まずPAHをメダカの卵にナノインジェクションを行い、次いで活性型ビタミンD_3の魚の骨代謝に及ぼす影響を評価し、以下に示す成果を得た。 研究成果 (1)昨年度、Benz[α]anthracene(BaA)をキンギョに投与すると、胆汁中にBaAの代謝産物(4-Hydroxybenz[α]anthracene:4-OHBaA)が検出され、4-OHBaAへの代謝に伴い骨芽細胞の活性が低下した。そこで4-OHBaAをメダカの卵に投与して、メダカの発生に及ぼす影響を解析した。 1)メダカの卵に10^<-10>,10^<-9>及び10^<-8>Mの4-OHBaAを投与した結果、コントロール群では15個体中1個体のみ孵化せずに死亡したが、10^<-10>Mでは2個体、10^<-9>Mでは3個体、10^<-8>Mでは5個体死亡した。従って、BaAが代謝されて生成した代謝産物に毒性があることがわかった。 2)魚類のウロコの再生に及ぼすPAHの影響(in vivoの実験)、重油の成分の1種であるBenzo[c]phenanthrene(BcPh)をキンギョの腹腔内に投与して、ウロコの再生を解析した結果、ウロコの破骨細胞の活性が上昇して、ウロコの再生を阻害していることが判明した。今後、他のPAH類に対する影響を解析していく予定である。 (2)活性型ビタミンD_3(1,25-(OH)_2D_3)のウロコの骨芽細胞及び破骨細胞に対する作用をin vitroの培養システムとin vivoのウロコの再生システムの両面から解析した。 1)in vitroの実験:1,25-(OH)_2D_3は骨芽細胞の活性が上昇した。1,25-(OH)_2D_3は培養では、破骨細胞の活性は変化しなかった。したがって、哺乳類と同様に、1,25-(OH)_2D_3の受容体は骨芽細胞にあり、まず骨芽細胞に作用して、その活性を上昇させることがわかった。 2)in vivoの実験:1,25-(OH)_2D_3をキンギョの腹腔内に投与した。結果、再生ウロコの骨芽細胞が活性化した。 以上のことから、(1)PAHが体内で代謝されて生成した水酸化体が魚卵に対する轟性を発現すること、(2)活性型ビタミンD_3は骨芽細胞の活性を上昇させ、PAHの代謝産物により引き起こされた魚の脊柱彎曲をリスキューできる可能性の高いこと、がわかった。, 研究課題/領域番号:21651018, 研究期間(年度):2009 – 2010, 出典:研究課題「重油汚染海水で孵化した魚の脊柱彎曲は多環芳香族炭化水素が原因か?」課題番号21651018 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21651018/)を加工して作成, 金沢大学薬学系}, title = {重油汚染海水で孵化した魚の脊柱彎曲は多環芳香族炭化水素が原因か?}, year = {2016} }