@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060556, month = {Apr}, note = {ヒト造血幹細胞の分化経路を明らかにすうため、多数の骨髄不全症例について、多血球系統におけるCD55-CD59-CD48-血球の観察を続けた。その結果、PMH形質の血球は、症例によって異なる、限られた血球系統の組み合わせを維持しながら、年余に渡って造血を支持し続けることが明らかになった。このように長期間造血を維持するという造血幹細胞としての性質を持ちながら、限られた系統にだけしか分化できない、という矛盾を説明するため、理化学研究所(横浜)の河本宏博士、中茎隆博士との共同研究により、ヒト骨髄における造血環境のモデルを作成した。これは、ヒト骨髄組織には、赤血球系、顆粒球・単球系、Tリンパ球、Bリンパ球のそれぞれの分化だけを支持する異なろ領域がモザイク状に重なって存在しており、どの領域に造血幹細胞が位置するかによって、その幹細胞から産生され続ける血球の系統が決定されるというものである。この仮説が正しいかどうかを検証するため、各血球系統の造血の場の広さ、位置、数を変数とし、バーチャルな造血モデルを作成したところ、ある条件下では、実際に観察された16種類の異なる血球系統の組み合わせハターンに近似した血球産生ハターンを再現できることが明らかになった。この結果はまもなく投稿予定である。 このモデルを証明するためには、ヒト生体内において分化系統が限られている患者のPIG-A変異幹細胞が、免疫不全マウスでは全血球系統に分化しうることを示す必要がある。これまでの検討により、PNH形質の血球分化の系統が限られていながら、PNH型顆粒球の割合が3%を超える症例を数名同定している。今後倫理審査での承認と患者の同意が得られれば、理化学研究所(横浜)石川文彦博士との共同研究により、本検討を実施する予定である。 一方、骨髄不全患者における微少PNH型血球を検出する方法として、昨年来検討してきた、液状fluorescent-labeled inactive toxin aerolysin(FLAER)とFACSCantoを用いる新たなPNH型検出方法は、技術移管が可能なレベルまでアッセイが確立されたたため、2010年12月10日特許を出願した(特願2010-275878)。, 研究課題/領域番号:21659236, 研究期間(年度):2009 – 2010, 出典:研究課題「PIG-A遺伝子変異をマーカーとしたヒト造血幹細胞動態の解明」課題番号21659236 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21659236/)を加工して作成, 金沢大学医学系}, title = {PIG-A遺伝子変異をマーカーとしたヒト造血幹細胞動態の解明}, year = {2016} }