@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060572, month = {Jul}, note = {近年開発された3次元原子間力顕微鏡(3D-SFM)による原子スケールでの局所水和構造計測とそのメカニズムを明らかにするために、今年度は以下のことに取り組んだ。 1)3D-SFM測定を行うために、本研究の観察対象であるフッ化カルシウム(CaF_2)(111)表面を原子スケールで長時間安定に観察できる溶液条件について検討した。超純水中ではCaF_2(111)表面の結晶モデルとよく一致した原子像が得られた。しかし、時間の経過とともに、CaF_2の溶解によって生じるカルシウムイオンと超純水中の水酸化物イオンが水酸化カルシウムとなって表面に大量に付着するために、3D-SFM測定を行うには難しい溶液条件ではないことが分かった。そこで、表面の溶解を抑えるために、過飽和溶液中で観察を行った。過飽和溶液中では、原子像を観察することはできた。しかし、溶液中の多量のカルシウムイオンやフッ素イオンが探針に吸着して、イメージング中にコントラストがたびたび急変するという現象が見られたことから、過飽和溶液も、3D-SFM測定に適した条件ではないということが分かった。次に、水酸化カルシウムの生成を抑えるために、過飽和溶液のpHを下げてイメージングを行った。その結果、溶解のない安定なテラスは見られたが、フッ化カルシウムが再結晶したものが付着したせいか、原子スケールではラフな表面であった。以上のことから、CaF_2(111)表面での3D-SFM測定に最適な溶液条件は非常なシビアなものであるという結論に至った。 2)そこで、CaF_2の代わりに、炭酸カルシウム(CaCO_3)(101-4)表面の3D-SFM測定を行った。 CaCO_3(101-4)表面は、超純水中で1時間以上安定に原子像を取得することができることが分かった。そこで、この表面で3D-SFM測定を行った。その結果、第3水和層まで観察することに成功し、各水和層の水分子のサイトが理論結果とよく一致していることが分かった。これらの結果から、3D-SFMによる局所水和構造計測が非常に信頼性のある手法であることを実証した。, 研究課題/領域番号:23760028, 研究期間(年度):2011, 出典:研究課題「3次元原子間力顕微鏡による原子スケールでの局所水和構造状熊の解析方法の確立」課題番号23760028 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23760028/)を加工して作成, 金沢大学フロンティアサイエンス機構}, title = {3次元原子間力顕微鏡による原子スケールでの局所水和構造状熊の解析方法の確立}, year = {2019} }