@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060751, month = {Apr}, note = {本研究の目的は、1970年代以降の在日朝鮮人教育研究と実践を跡づけることによって、その成果と課題を明らかにすることであった。その方法として、在日朝鮮人教育の全国集会で過去24年間に報告された実践報告724本を分析した。 分析視点は、1.日本の学校で民族性育成に取り組む根拠となる論理、2.「本名実践」の実相、3.日本人生徒の位相、4.進路保障の構造と論理、5.教室外での日本人教師と在日朝鮮人との「接触経験」、6.在日朝鮮人との「出会い」についての日本人教師の個人的な語り、7.在日教師の現状と認識、8.ニューカマーの教育実践にみられる「在日外国人教育」観、である。さらに、これらの個別分析を総合して、在日朝鮮人教育の特徴と課題を導き出した。 その結果明らかになったこととして、在日朝鮮人教育が独特な仕掛けを持っているということである。まず、在日朝鮮人の存在を「植民地支配」と「民族差別」の影響や結果としてみなす枠組みがあり、それ故に日本人-朝鮮人関係やそれぞれの立場性が規定されている。教師の教育行為や在日生徒に期待されることがら(民族アイデンティティや名前の名のり、民族的な生き方の追求)は、そこから導かれて「正当性」が根拠づけられる。この独自な仕掛けによって在日朝鮮人教育はその固有性を主張し、存在理由が認められてきたが、しかし、在日社会の多様化とともに、この仕掛けが必ずしも現実を反映しなくなってきている。また、ニューカマーの子どもの教育に対しては、適応教育批判や家庭背景を重視する視点の強調など有益な貢献を果たしているが、今後在日朝鮮人教育とニューカマー教育のさらなる接合を求めるならば、設定や目的や手法などにおいて解決すべき課題が残されている。, 出典:(研究代表者) 中島 智子, 研究課題「1970年代以降の在日韓国・朝鮮人教育研究と実践の体系的研究」課題番号13610328 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-13610328/136103282003kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成., 本文データは著者版報告書の一部, (研究分担者) 岸田 由美執筆部分を掲載., 金沢大学理工研究域フロンティア工学系}, title = {民族のための教育と教育のための民族: 在日朝鮮人の民族性育成に取り組む日本人教師を支える論理}, year = {2005} }