@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060752, month = {Feb}, note = {本研究は、先行研究が欧米に偏りがちであったのに対し、欧米はもとよりアジアや旧社会主義圏を含む14力国の多国間比較研究を行ったことで、「シティズンシップ教育」という枠組みにおいて行われている教育の多様性を、より広範囲に明らかにすることができたと考えている。 シティズンシップ教育への関心は、東西冷戦の終焉、グローバル化と社会の多様化の進行、公共性喪失への危機感、青少年における政治離れや暴力、テロ対策など様々な文脈から導かれている。しかし大きな流れとしては、シティズンシップ教育は、帰属する国民国家に対する権利と義務に関する学習という範疇を超え、ローカル・ナショナル・グローバルといった国家以外も含む各次元の共同体の構成員として求められる知識や価値、態度、行動力の育成を担うようになってきている(脱「国民国家」化)。同時にそれぞれの国家におけるナショナル・アイデンティティを再構築し、凝集力をいかに高めるかに関心が集まってきている点もまた特徴的である。シティズンシップ教育における脱「国民国家」化とそれと同時進行するナショナリズムの復興とも言える動きが、本硬究を通して垣間見えてきた。加えて、一国の教育が今日受けている国際的、超国家的な影響力の大きさも、シティズンシップ教育において顕著な要因として浮かび上がってきた事柄である。教育理念、教育課題、教育制度・システム、学習者等、様々な面でグローバル化と多様化が進行し、また、資金や教材の提供元として、外国の機関や国際機関の関与が急速に進行している。国内論理と超国家的な論理の間に、経済的な依存関係と政治的な緊張関係が見られる国々も確認された。各国の状況、そして世界的な動向をより正確にとらえるには、各国研究を深めると共に、多国間関係や国際機関との影響関係を含め、さらに一層、トランスナショナルな視点からの分析を進めることが不可欠である。, 出典:(研究代表者) 嶺井 明子, 研究課題「価値多元化社会におけるシチズンシップ教育の構築に関する国際的比較研究」課題番号17330177 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-17330177/173301772007kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成., 本文データは著者版報告書の一部, (研究分担者) 岸田 由美執筆部分を掲載., 金沢大学理工研究域フロンティア工学系}, title = {カナダのシティズンシップ教育政策: 連邦・ケベック州・オンタリオ州の事例から}, year = {2010} }