@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060941, month = {Apr}, note = {光合成系IIの酸素発生中心では、四核マンガン錯体が、水を酸素に酸化する触媒として作用しており、Mnイオンの酸化状態によってSo-S_4の五つの状態に分類されている。しかし、これらSn状態の構造、酸化状態、反応触媒としての作用機構等については不明である。そのためSn状態の解明には、種々の酸化状態を有する四核錯体の研究が急務の課題となっている。本研究では、配位子として1,3-bis〔bis(2-pyridylmethyl)amino〕-2-propan-ol(Htpdp)を用いることによって、以下に示した塑性のこれ迄にない構造、および酸化状態を持つ二種の四核マンガン錯体が得られ、その構造および物理化学的性質について調べた(〔{Mn_2(tpdp)(CH_3COO)(H_2O)}_2O〕(C10_4)_4・-2H_2O(1)および〔{Mn_2(tpdp)(H_2O)_2}_2(O)_2〕(C10_4)_4・4H_2O(2))。錯体1および2のMnイオンは、それぞれ(II,III,III,II),(II,III,IV,II)の酸化状態を取っている。X線結晶構造解析の結果、錯体1は、二分子の二核Mn(II,III)混合原子価錯体がMn三価部で一個のオキソ架橋により結びついた四核構造を取っており、Mn(III)-O-Mn(III)が完全に直線となっている初めての錯体であることが明らかとなった。錯体2の構造はdi(μ-oxo)dimanganese(III,IV)単位の二つのMnイオンのそれぞれに、さらに二つのMn(II)イオンがtpdpのアルコキソ架橋によって結びついた直線型である。di(μ-oxo)dimanganese部が三価四価混合原子価状態であることはMn(II)イオンを亜鉛(II)イオンに置換した錯体〔{MnZn(tpdp)(H_2O)_2}_2(O)_2〕(C10_4)_5・4H_2O(3)の磁性、ESRより明らかとなった。錯体2は一つの分子中に三つの酸化状態(II,III,IV)が含まれる初めての例である。今後、これらの錯体の水を酸素に酸化する触媒能などについて詳細に検討を行なう予定である。さらに錯体3の亜鉛(II)を種々の二価金属イオンに置換した新しいタイプの異種金属四核錯体を合成し、それらの性質をも調べる予定である。, 研究課題/領域番号:01540506, 研究期間(年度):1989, 出典:研究課題「酸化的水分解により酸素発生能を有する二核マンガン錯体の開発」課題番号01540506 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01540506/)を加工して作成, 金沢大学理学部}, title = {酸化的水分解により酸素発生能を有する二核マンガン錯体の開発}, year = {2016} }