@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00060973, month = {Apr}, note = {広島原爆の爆心地から288m(爆裂点から648m)の位置で被曝した相生橋の鉄板(直接被曝面を含む1cm厚)の1.6kgを試料として本研究を実施した。 鉄板の表面をエッチング洗浄した後、希硝酸に溶解し、鉄濃度100mg/mlの2M硝酸溶液16l(以下鉄板溶解液)とした。鉄板試料中の微量成分であるニオブをまず粗分離・濃集するために開発した石綿捕集・脱離法の最適条件を追究しながら鉄板溶解液からニオブの粗分離・濃集を行った結果、鉄板溶解液1.6lを1バッチとしてそれに収率トレ-サ-・ニオブ-95を添加しておき、硫酸を加えて一旦蒸発乾固すると、鉄濃度4mg/mlの2M硝酸溶液40lから比較的高収率で100gの石綿(溶液に添加して40時間余りかくはん)にニオブが捕集され、石綿に捕集されたニオブは2M塩酸-10%過酸化水素でほぼ完全に脱離できることが分った。このようにして大部分の鉄から粗分離・濃集されたニオブを更に加水分解-タンニンを沈でん法により精製し、結局、1.6kgの鉄板中の約35%のニオブを約1.3gの乾燥マトリックス(以下ニオブ沈でん)中に回収した。 ニオブ沈でんの96.91%を用いてニオブ-93m残留放射能の測定(16.6keV-X線を計数)を行った結果、その残留放射能は非常に微弱で、長期間の測定が必要であることが判明した。また、ニオブ沈でんの1.41%および1.68%を用いてニオブ沈でん中のニオブを中性子放射化により定量した結果、その測定にも更に数カ月間を要することが判明した。まだ充分に有意な結果を得るには至っていないが、現在までの測定結果によれば、ニオブ-93mの比放射能は、DS86(1986年線量体系)の計算方式によって推定される値を越えることはなく、従って広島原爆速中性子フルエンスは計算値以上にはならないだろう。, 研究課題/領域番号:01580207, 研究期間(年度):1989, 出典:研究課題「ニオブ-93mの実測に基く広島原爆速中性子フルエンスの評価」課題番号01580207 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01580207/)を加工して作成, 金沢大学理学部}, title = {ニオブ-93mの実測に基く広島原爆速中性子フルエンスの評価}, year = {2016} }